江の島や鎌倉など県内の景勝地を巡る浮世絵や絵はがきを見比べる企画展が、辻堂神台の藤澤浮世絵館で始まった。「浮世絵と絵はがきで巡る神奈川と東海道の旅」と銘打ち、85点の展示資料から名所や風景の変遷、観光の視点の違いをひも解く。10月27日(木)まで。入館無料。
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江戸時代に流行した浮世絵に代わり、明治時代になると観光地を視覚的に伝えるものとして絵はがきが登場した。
両者は時代の変遷により描かれるモチーフなどに違いがある。かごが移動手段だった浮世絵の時代に対し、絵はがきでは鉄道や電信柱、洋装の人が登場。一方で、江の島など人々が好んで足を運ぶ名所は時を経ても変わっていないことが見受けられる。
また当時の関心の対象の変化も伺える。同じ「江の島」であっても、浮世絵時代は、寺社仏閣は神聖なものとして描くことは避けられ、江島神社の岩屋の描写は入り口付近までだった。その後、廃仏毀釈が起き、神社が市民により近い存在となったため、絵はがきでは岩屋の本宮に迫る構図が見られるようになったという。「浮世絵と絵はがき、それぞれの良さを同じ景色という共通点から味わっていただけたら」と同館。
9月24日(土)と10月16日(日)には、学芸員によるみどころ解説(午前11時と午後3時から30分・各回先着20人)や、毎週日曜日には浮世絵すり体験(1時から5時・申込み不要)なども行われる。
開館は午前10時から午後7時(入館は6時30分)まで。月曜休館。10日(祝)は開館、11日(火)は休館。問い合わせは同館【電話】0466・33・0111。
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