出演者ほぼ全員が知的障害者で構成されるミュージカルが、12月24日(土)に藤沢で開幕する。就労支援施設を運営するNPO法人「Music of Mind」(市川誠理事長)の主催で、今年で法人設立10周年を迎えた。1カ月に迫った本番に向けて稽古も熱を帯びており、関係者らは「舞台を通じて勇気や感動を届けたい。多くの人に足を運んでもらえれば」と来場を呼び掛けている。
「大きな声と笑顔で」
15日、大庭団地にある集会場で、同法人副理事長の錦谷陽子さんの指導に合わせ、出演予定の利用者らが発声練習に取り組んでいた。
節目に上演するのは「ドリーマーズムービー〜ゆめからとびだしたわたしたち」。これまでの公演出演者が夢から飛び出して"総出演"し、歌や踊りを披露する内容で、声楽家でもある錦谷さんが脚本を書いた。
同法人が運営するのは就労継続支援B型事業所。音楽活動を中心に就労を支援する全国的にも珍しい運営方針で2012年に発足した。
活動は同施設でライブ演奏するほか、外部のコンサートや演奏会に呼ばれたり、施設内のカフェで接客や調理したりもする。これまでコンサートは11回、ミュージカルは5作を上演した。
コロナ禍により、主催事業としては3年ぶり。今回は18〜50歳までの18人が出演する。
新曲の披露も
練習はカフェの休みをぬって週2日。メンバーには知的障害があるため、健常者と比べて曲やセリフを覚えるのに時間がかかるが、鏡を見ながら口の形を確認したり、ジェスチャーを交えたりしながら根気よく稽古を重ねる。コンサートマスターでダウン症のはやとさん(23)は「皆でしっかり声を出して良い舞台にしたい」と意気込む。
舞台は2部構成で、第2部の歌のステージでは、利用者が作詞した新曲も披露する。「障害がある人が音楽を通じて仕事としてパフォーマンスを披露する。メンバーもその心持ちで臨んでいる」と錦谷さん。
午後2時30分開場、3時開演。チケットは前売り1600円。会場は新堀学園ライブ館3階楽友ホール。問い合わせは同法人【電話】0466・86・7857。
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