藤沢の「蔵まえギャラリー」を会場に毎年開催している「湘南Vividアート展」(田口淳子代表)が、活動の継続に向けて運営資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施している。今年で9回目の開催を迎えるが、会場費の値上げなどから先行きが見通せなくなった。ギャラリー自体も存続の岐路に立たされており、関係者は「出品者の半数は障害者。慣れた場所以外で開催は難しく、ここでしかできない作品展を続けていきたい」と協力を呼び掛けている。
同展は2014年にスタート。元養護学校教諭の田口さん(70)が障害の有無やプロアマ、性別や国籍の垣根を超えた「アール・ブリュット」(生の芸術)の作品を広く知ってもらおうと企画したのがきっかけだ。
新型コロナ禍で中止した20年以外は開催を重ね、足かけ10年。1人1点の展示にも関わらず、会場には絵画やイラスト、書、刺しゅうなど100点を超える作品が集まるようになった。田口さんは「長年続けてきたことで参加者も広がり、裾野が広がっている気がする」と感慨をかみ締める。会場の蔵まえギャラリーは昭和初期に建てられた商家で、レトロな空間と作品の共創も評判を呼んだ。
これまでは公募展の趣旨に賛同する蔵まえギャラリーの佐野晴美さんの協力で割安で会場を使えていた。だが、今年6月に建物の契約期限を迎えており、更新に伴い予定される家賃の値上げで運営費の捻出が不可欠になったという。
ただ、出品者の大半である障害者が通う作業所の収入では、出展料を賄うのは難しい。そこでCFを活用し、自分たちの実情を知ってもらうとともに広く協力を募ることにした。
目標金額は50万円。3千円、5千円、1万円、2万5千円、5万円の5コースを設定し、返礼品には作家の作品やオリジナルグッズを用意した。
佐野さん(67)は「06年からギャラリーを始め、Vividアート展は切っても切れない存在。多くの人に応援してほしい」と呼び掛けた。
同展は4月21日(金)〜30日(日)。問い合わせは蔵まえギャラリー【電話】0466・25・9909。
|
<PR>
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|