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藤沢 社会

公開日:2023.10.13

将棋クラブ開設、人をつなぐ
高砂小4年 石田啓君

  • 将棋を指す石田啓君。クラブは辻堂南部市民の家で毎月第4土曜日に活動。問い合わせはEメール(shoushinhishin@aol.com)で

 「目標は子ども将棋大会を開くこと」。高砂小4年生の石田啓君(10)=辻堂=が今年2月、辻堂南部市民の家で将棋クラブを開設した。友人や知人、SNSを通して会員が増え、下は幼児から上は80代まで幅広い年代が参加。地域のコミュニティーにもなっている。

 将棋クラブの名前は「将心比心クラブ」。「将心比心」とは、相手を思って考えること。皆が思いやりをもって接するクラブにしたいとの願いが込められている。

 クラブを作ろうと思ったのはコロナ禍が残る昨年。子どもたちの大会は減り、対局機会が失われていたからだ。加えて地域活動でSDGsを学び、地域をつなぐための場として社会貢献になるとも気付いた。「なければ作る」と決心した。

 小学生一人でできることには限界もある。全面的に支援をしたのは両親だ。「やりたいと思うことを応援したかった」と父・賢司さん。母・恭子さんも、チラシを作り、SNSを通して参加を募った。9月までで7回実施し、会員は23人に増えた。指導者はいない。初心者も大歓迎。ニックネームが書かれた名札を胸に心から楽しむ参加者の姿は、「好き」が人をつなぐことを改めて教えてくれる。

 地元だけではない。活動を知った日本有数の将棋盤メーカーがかやの木の将棋盤をプレゼントしてくれた。また「大会が開けたら、賞品でも協力する」と応援を約束。輪は拡大している。

 最近では「年齢、障害、国籍など誰もが参加できるように」(恭子さん)と視覚障害のある人もできる希少な将棋セットを手に入れた。

 市内では女流棋士最高峰の大会が開かれるなど機運も上がってきていると感じている。石田君は今夏、市の子どもたちの意見を聞くイベントにも参加し願いを訴えた。「みんなと楽しめる子ども大会を実現したい」

囲碁にも才能 二刀流

 将棋と出会ったのは5歳のとき。通っていた幼稚園の教諭からだ。子ども用の4駒で対戦する動物将棋でみるみる上達。大人を負かすようになり、賢司さんと本格的な将棋を始めた。小学2年生の頃に会社員からプロ棋士に転じた瀬川晶司さんに出会い、教室に通い始めた。現在では瀬川さんの知人の教室に通う。

 一方、最近、囲碁にも出会った。平塚市から50人を超えるプロ棋士を輩出した故・木谷實九段の子で日本棋院平塚支部長の正道さんから高い理解力に太鼓判を押されたという。将棋と囲碁、まだ決めかねているが「プロを目指したい」と夢に向けた決意が口をついた。

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