プレス工業(株)(遠藤)に勤務する「サラリーマンボクサー」の阿部麗也選手が2日、米国ニューヨークで行われたボクシングIBF世界フェザー級タイトルマッチに挑戦し、8回TKOで王者のルイス・アルベルト・ロペス選手に敗れた。しかし、この経験で得たものもある。再起への思いを聞いた。
ロープ際での連打にレフェリーが試合を止め、初の世界挑戦は苦い記憶となって心に刻み込まれた。「型にはまらないスタイルでとてもやりづらく、何より強かった」
拳を交えて王者の強さを体で知った。2回の右目の負傷は大きかった。これ以上打たれないようにとかばうことでリズムも乱れ、そのままペースに飲み込まれた。
夢に見たベルトを逃し、応援する人の期待にも応えられなかった悔しさが募る。だが、試合で得たものもあった。
ガードの固くない王者に、パンチが届く感触は幾度もあった。「今思えば、付け入るポイントがあった」と拳に目を落とす。スピードとテクニックでは劣っていない。そして何より、世界最強のボクサーと8回を打ち合えた。パンチのパワー、そして王者の強い気持ち。そこに差があった。
世界タイトルマッチという「これ以上がない」舞台に立ったことで、今後の試合で気持ちで負けることはない。「この経験は、むしろ次への自信になった」と前を向く。
「スタイル貫く」
高校卒業後から続けてきた、同社で勤務しながら試合をこなす自身のスタイルについて「変えるつもりはない」ときっぱり。「負けた時はもちろんいろいろ指摘を受ける」というが、毎週5日のフルタイム勤務をしながら夜間に練習を積み、世界王者と渡り合うことができた。
「このスタイルだからこそ、意味がある」と言葉に熱を込める。今後は、再起戦を勝利して世界ランキングへの復帰が第一歩。ボクシングの世界タイトル認定団体は4団体あり、チャンスはどのように巡って来るかわからない。
「IBFにこだわらず、機会を逃さず狙っていきたい」。視線はすでに、世界の頂きを見据えている。
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