藤沢市が長野県松本市と姉妹都市提携を結んで、今年で50周年を迎える。両市では、8月末までお互いの観光施設を無料で利用できるなどの記念事業を実施。「広報ふじさわ」を持参すれば、国宝の松本城なども入場無料となる。
藤沢市と松本市が姉妹提携を結んだのは1961(昭和36)年の7月29日。当時、藤沢市職員で提携に携わった久保田圭一氏(84)によると、藤沢市は「東洋のマイアミビーチ」として海を中心とした観光に力を入れていたが、地元市民は山でのハイキングや清流といった自然に憧れを抱いていたという。一方、北アルプスを臨む松本市は、海を見たことの無い市民も多く、海岸を持つ藤沢市に魅力を感じていた。
そこで、まず1960(昭和35)年に市民主体の「海と山との市民交歓会」が発足。ツアーを組んで松本市民を江の島へ、藤沢市民を松本城へ招待するなどの活動を展開する。翌年、故金子小一郎藤沢市長らの尽力で、観光面では全国初となる姉妹提携が結ばれて以来、半世紀にわたり交流が続いている。
友好の証 今も
1974(昭和49)年には、故葉山峻藤沢市長が「市民と松本市のために何かできないか」と、休暇村として「ふじさわ山荘」を設立。また、姉妹提携30周年の時は、高校野球界を賑わせた日大藤沢高校と松商学園高校による親善試合が、藤沢市八部野球場で行われたことも。
職員の交換研修も行われ、松本市から来た職員は初めて目にする海に感動していたとか。現在は、市役所のサッカー部、野球部らが交流試合を実施。「藤沢市民まつり」と「信州・松本そば祭り」での交流、さらに、藤沢市内の商業施設や江の島サムエル・コッキング苑内松本館での物産展など、経済交流も活発だ。
長野県出身で長野県人会にも所属する久保田氏は、「この半世紀は長く、熱く、深い交流。藤沢と松本は親戚以上の関係となった。長野県人、藤沢市民として感謝したい」とし、「地引網をしていたときの松本市の子どもの笑顔が忘れられない」と懐かしんだ。
50年前は車での交通の便も悪く、藤沢市と松本市の行き来は電車が主だった。松本からはスイッチバックで峠を越えるので、藤沢まで10時間以上かかったという。現在、50周年事業を担当している藤沢市国際課は「今では高速道路も整備され、多くの市民が訪れている。これからも市民主体で、行政が後方支援をしながら次の100年を目指したい」と友好の継続を誓った。
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