VOL.75 源泉徴収と年末調整
毎月もらう給与は、その金額に応じた所得税を差し引いたのちに、給与の支払者から支給されることとなっております。
これは「源泉徴収制度」といって、給与や利子などを支払う際に差し引いた税額を支払者がまとめて国に納付する制度であります。
源泉徴収制度は、明治32年に利子に係る所得から税額を差し引くこととなったのに始まり、昭和15年には給与に係る所得からも差し引かれることとなり、現在に至っております。
ところで、給与の場合は、12月の最後の給与または賞与の支払いの際に、月々の給与から差し引いた税額の1年間の合計額と、1年間の給与総額から算出する本来納めるべき所得税額との過不足を調整する手続きを行います。
この手続を、「年末調整」といいます。
年末調整により、多くの会社員などの給与所得のみの方々は、所得税の確定申告をする必要がなくなり、結果として、申告の手続のための労力と時間を省くことができます。
源泉徴収制度により、国は、月々、税金の収納が生じることから、歳入の時期が平準化される効果があるほか、税金の徴収事務の効率化・徴税事務の削減に大きく寄与することとなり、結果として、徴税コストの削減という国全体の大きな利益に結びつく制度となっております。
(藤沢税務署税務広報広聴官)
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