藤沢発の躍進企業 保育事業の先駆け サクセスホールディングス(株)
女性の社会進出に伴い、今でこそ共働きの家庭に無くてはならない保育事業。2000年の規制緩和から13年と、株式会社による保育所運営の歴史はまだ浅いが、保育所運営の草分け企業が、ここ藤沢に本拠を構える。『サクセスホールディングス株式会社』(柴野豪男代表取締役社長・藤沢市鵠沼石上)だ。12年8月のJASDAQ上場から、257日という史上最短で東証2部上場を遂げ、急成長を見せる企業の代表に迫った。
保育事業への参入のきっかけは、学習塾経営からの方向転換を模索していた90年。帰国子女の塾生の母親から、「ベビーシッター業は欧米では当たり前。今後、成長する業種だし、ぜひ手掛けて欲しい」と依頼された。一からベビーシッター業や保育事業のビジネス化を研究し、奔走。あれから20年―。現在では全国に受託保育所162施設、公的保育所62施設を手掛ける。
病院内の保育所に着目
90年当時、認可保育園は自治体と社会福祉法人が運営しており、法律上、民間企業は保育園を設立することはできなかった。そこで、病院やオフィス内に設けられている事業所内保育所に目を付けた。「保育所運営を請け負う形なら新規参入できる」。
事業化してまもなく、保育所の整備を検討していた藤沢市の病院から、院内保育所の運営を任された。勤務条件が厳しい看護師は、求人を出しても人が集まらない時代だった。その後、評判を聞きつけた県内外の病院から次々と運営を受託。しかし、「保育士の確保や銀行からの融資など、保育事業の認知度の低さゆえの苦労も多かった」。
強みはカスタマイズ保育
近年、ライバル企業が増えるが、病院内保育で鍛え抜かれた24時間365日運営のノウハウや、20年来の信頼や実績には自負がある。また、子どもの数に応じて、派遣した保育士の数を課金するオリジナルのビジネスモデルも強みの一つだ。さらに企業ごとに保育内容をきめ細かくカスタマイズ。そんな”カスタマイズ保育”に、利用者からは「求人時、福利厚生面で他社との差別化になる」「優秀な社員を採用できるようになった」との声が上がる。
規制緩和をチャンスに
00年の規制緩和によって公的保育所への参入が可能に。04年、これまでのノウハウや実績が買われ、認可保育園を横須賀市で開設。今年11月には、藤沢市でも新設が決まっている。「地元藤沢で、うちがやらずに誰がやるんだという自負や責任感がある。地元に対して貢献していきたい」。全ての社員に訴える。「企業のあり方は、世のため、人のため。ありがとうと言われるよう真面目に取り組もう」。謙虚な心で躍進し続ける。
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