陸前高田 佐藤フミ子さん 藤沢との交流 今も
観るかぎりの
瓦礫の続く
その中に
吾が息の姿
探す親かな
2011年3月11日、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の佐藤フミ子さん(85)の「うた」だ。大津波で息子を亡くし、その年の11月には、仮設住宅で支え合って暮らしてきた夫も他界した。現在は仮設住宅に1人で暮らしている。
ノートに書き貯めた五七調の「うた」は現地を訪れたフォトジャーナリストの目に留まり、震災から1年後、詩集「つなみ風花(かざはな) 胡桃(くるみ)の花穂(はなほ)」(凱風社/1000円税別)として出版された。被災地の写真と共に86首が収められている。
布小物作りがきっかけ
そんな佐藤さんと藤沢の人々の交流が始まったのは、12年2月。失意の中にあった佐藤さんは藤沢に住む娘の元に一時身を寄せた。その時、訪れたのが娘宅近くにあった「ソーイングカフェHAN」(藤沢駅北口)。和裁のプロだった店主の田辺繁子さんの勧めで和布小物を作り始めた。日中は娘が仕事に出ているため、毎日来店するように。自然と客とも顔馴染みになった。仮設住宅で過ごす人を気にかける優しい人柄、エネルギー溢れる気丈な生き様に心を動かされた人も多い。
佐藤さんが陸前高田に戻ってからも、現地に裁縫道具や布を送るなどの交流が続いている。佐藤さんも仮設住宅で暮らす人々に技術を伝え、今は陸前高田の復興シンボル”奇跡の一本松”を刺繍したフキン作りなどに励んでいるという。
佐藤さんは言う。「仮設でも藤沢でも多くの友人や支援者の方々に支えられ、今では明るく元気に過ごしています」
佐藤さんの詩集は書店やカフェHAN(【電話】0466・50・4478)でも販売中。
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郡の中心から商業の街へ「長後」5月3日 |
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