「レインボー灯台」で笑顔に グラス作家 石井千晶さん
虹色に輝く「江の島シーキャンドル」と、眼下に広がる360度のパノラマ風景―。藤沢市民にとって馴染み深い景色がジオラマとなって、「湘南FUJISAWAコンシェルジュ」に登場し、訪れた人々の目を楽しませている。
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「雨上がりに虹が出たら、誰もが『虹だ!』ってパッと笑顔になって喜ぶでしょ。そんな虹のように、見た人がニコッと笑顔になる作品を創りたい」。そう笑顔で語るのは、オブジェの制作者で、グラスアーティストとして2009年から江の島のアートイベントに参加する石井千晶さん(茅ヶ崎市在住)。作家として数々の作品展で入賞経験を持つほか、個人宅の玄関窓や表札、店舗看板を制作受注。職人としての顔も併せ持つ。
164枚の色ガラス
8面体や10面体、14面体といった4つのパーツから構成される灯台のオブジェは、164ピースの色ガラスを1枚1枚ハンダ付けし、約3週間で完成させた。表札や看板などの平面作品に比べ、立体的になると強度やカーブの技術など、たちまち難易度が高くなる。そのため、最も苦労するのが綿密な型紙づくりだという。「一度ガラスを削ったら元に戻せないから、最高のバランスを考えながら、型紙を何度も組み立てて」。
江ノ電社長からオファー
江ノ島電鉄から「レインボー灯台」制作の依頼があったのは、今年のGW(ゴールデンウイーク)のこと。江の島のアートイベントで原型となる『灯台』(11年)を見た同社の深谷研二前社長からの直々のオファーだった。嬉しい反面、責任も大きい。「職人としての仕事は美しいだけではダメ。精度の高いものを意地で求めた」と笑う。
実物に近づけるため、点滅するLEDライトのほか、背景のパノラマ写真や土台は、湘南の作家らがセッティグ。各々の持ち味を生かし、渾身の作品に仕上げた。「土台に載せて、周りに砂や植物を添えて初めて『良いな』と思った。全体の雰囲気に作品が溶け込んだ時がとっても幸せ」。
己に厳しい職人魂と、作家としてのみずみずしい感性による美しく高品質な「光のアート」は、今後もファンを増やし続けていく。
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