サッカーの高校日本一を決める「第93回全国高校サッカー選手権大会」が12月30日(火)に開幕する。全国の予選を勝ち抜いた48校によるトーナメント戦で争われ、神奈川県代表の日大藤沢高校サッカー部(佐藤輝勝監督)が「全国制覇」に挑む。初戦は31日(水)、14度目の出場となる徳島県代表の徳島市立と、ニッパツ三ツ沢球技場で対戦する。
一体感で目指す頂点
全国選手権への出場は7年ぶりとなる日大藤沢。強いチームづくりを目指し、佐藤監督は「一体感」という言葉を選手たちに伝え続けてきた。「今のチームには、技術力が高く個性派の選手たちが揃っている。お互いを知り良さを生かすことが強さにつながっていく」と、その大切さを何度も繰り返し口にしてきた。
転機となったのは、夏のインターハイ予選。麻布大学附属に2対0で負けた悔しさが、選手たちに火を付けた。「このままでは終われない」。3年生を中心に選手同士で話し合い、練習の取り組み方から改めていった。
佐藤監督は「スタメンの選手、途中交代の選手それぞれが、自分の役割を理解してプレーできるようになった」と選手の変化を感じていた。全国選手権への切符を賭け争われた神奈川県予選では、個性派の選手たちが躍動した。3回戦、4連覇を狙う桐光学園戦では、1対1の後半に途中出場したMF田場ディエゴ選手(3年)が得意のドリブルで敵陣を突破、値千金の決勝ゴールを決める。準決勝の桐蔭学園戦では、ヘディングの強いDF小野寺健也選手(2年)が頭で3得点をあげる活躍。決勝の厚木北戦では、相手の猛攻に対し、DF吉野敬選手(3年)やGK鈴木孔明選手(2年)のファインプレーがチームを救った。佐藤監督は全国選手権出場を決めた決勝戦の後、「一体感を持って、チーム一丸となって戦ってくれた」と選手を褒め称えた。
日藤サッカーを貫く
初戦を2週間後に控えた19日、練習を終えた佐藤監督は「充実した練習ができ、怪我をした選手もいない。順調に準備ができている」と手ごたえを感じている様子だった。対戦相手となる徳島市立については「選手にはビデオを見せたり、対策を伝えたりはしていない。自分たちのサッカーをするだけ」と明かす。
伝統のある日大藤沢のサッカーは「守備は『堅守』攻撃は『ダイナミック』」と佐藤監督。全員が連動した守備でボールを奪い、ダイナミックな攻撃に繋げる。全国大会でもやることは変わらないという。
7年前は、ベスト16で涙をのむ結果となった全国選手権。佐藤監督は「まずは初戦に勝つこと。日藤サッカーを貫いて戦いたい。全国制覇を狙って一戦必勝の気持ちで臨みたい」と意欲を語った。
チームの要は吉野選手
目標となる「全国制覇」へ向け、チームの要となるのがキャプテンのDF吉野敬選手。練習から大声で盛り立て、チームを引っ張る姿は、リーダーとして選手や監督からの信頼が厚い。
日藤サッカーの守備の部分である「堅守」をまとめる役割を担うのも吉野選手だ。初戦へ向けては「3年間全国で戦うことを目指して頑張ってきた。DFとして、ゴールは譲らないという、気持ちで負けないプレーをしたい」と意気込みを語った。
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