今年97歳となる真円上人。大きな声が会場に響いた
時宗法主で、遊行第74代目となる他阿真円上人（96）がこのほど、自身２作目となる著書「生かされて生きる『捨ててこそ』の実践」（神奈川新聞社発行）を出版した。同書は神奈川新聞「わが人生」欄に２０１５年３月２日から５月29日までの64回にわたる連載に加筆・修正されたもの。四六判２１２ページで１３８９円（税別）。
これを記念して新堀学園オーケストラスタジオで２月７日、真円上人の特別講演とパーティーが開催された。あいさつに立った新堀学園の新堀寛己理事長は「オペラの世界ではすべての人の心が通い、幸せになる終わりを大団円というが、この学園も上人が唱える『まんまるな世界』、『まんまるな心』を実現していきたい」と語った。
講演では、太平洋戦争時に学徒動員で経験した過酷な体験や、マラリアと肺結核で直面した生命の危機など、96年の波乱に満ちた人生が語られた。また、自身が理想とする、目には見えない天祐・神助・仏恩の「おかげ」を信じ、共助・近助・公助の助けを得て、穏やかな心となる「まんまる運動」や健康寿命増進の大切さを説いた。
真円上人は「１００歳を超えても『ああ、生きていてよかったなあ』という人生を送れと宗祖が励ましてくれる。皆さんも生かされていることをしっかりと自覚してもらいたい」と講演を締めくくった。
２０１３年に出版された上人初の自伝「捨ててこそ人生は開ける―『苦』を『快』に変える力」は中国語版も発売されるという。
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