近藤実夏さん（左）と三浦柚恵さん
全国高校野球選手権神奈川大会に臨む藤沢清流高校野球部で、男子部員と共に白球を追う女子部員、近藤実夏さん（２年、外野手）と三浦柚恵さん（１年、投手）にも熱い夏が近づいている。
現在のルールでは女子の公式試合への出場は認められていない。しかし２人はその条件を理解した上で入部し、県大会が近付いてきたこの時期も、本番を控えた男子部員と同じ練習に汗を流している。
野球が楽しくて
同校野球部で初めての女子選手部員となった近藤さんは、中学生野球チーム「横浜クラブ」の元メンバーで、４年前には全国大会に神奈川県代表として出場し、チーム初優勝に貢献した。
中学までは競技人口も多い女子野球だが、高校になると男女で体力の差が広がり、続ける人が減ってしまう。近藤さんも高校進学を前に悩んだ末に、「とにかく野球を続けたい」と決心し、女子部員がマネージャーしかいなかった野球部に入部。筋力差はあるが、男子に負けじと走り込みや投球練習に参加している。「野球が続けられてうれしいけど、練習の積み重ねの評価ともいえる背番号がもらえない辛さもある」と口にする。
近藤さんの中学と横浜クラブの後輩で、１７０cmを超す恵まれた体格の三浦さんも同じく、野球への強い思いを胸に入部。「近藤先輩が切り開いてくれたおかげで野球を続けられている」と話す。近藤さんの願いは「自分の姿を見て野球の女子人口が増えること」、三浦さんは「日本代表に入って憧れの大谷翔平選手に会うこと」を夢見る。この夏、２人は選手たちへ熱いエールを送り、勝利を後押しする。
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