2015年から17年まで藤沢市民オペラの芸術監督を務め、昨年再任を受け2期目を迎えた。芸術監督に指名されたのは今から5年ほど前。制作・運営を担う藤沢市民オペラ制作委員会から声がかかった。「まだ自分には早い。伝統のある市民オペラの指揮と芸術監督をやるには荷が重すぎる」と葛藤するも、挑戦することを決意。これまで監督と指揮者として、作品を手がけ、昨年は『椿姫』の世界観を作り上げた。「音楽家として成長できるいい機会。プレッシャーはあったが、このチャンスを生かしたいと思った」と振り返る。
出会いは学園祭
園田さんがオペラと出会ったのは大学1年生の時。東京藝術大学の学園祭では3年生が上演するのが恒例で、指揮のアシスタントに誘われたことがきっかけとなった。小説や映画が好きだったものの、オペラにはあまり興味がなかった。しかし、関わるうちにベートーベンなどの曲にはない音楽と物語が織り成す世界に魅了されていった。特に面白かったことはオーケストラが登場人物の感情や情景を表現すること。本場イタリアへ留学するなど、本格的に勉強を始めた。
市民オペラに携わり、今年で5年目。1年目は市民との向き合い方に迷いがあった。「プロではなく、アマチュアだから細かいことは言わない方がいいのだろうか」と指揮を振る上で悩んでいた。その悩みを一掃するよう、団員らから「厳しくやってほしい」と声が上がった。それからは、共に高みを目指そうと練習に励んでいる。「作品に真面目に向き合う人が多い。より完成度の高いものを作ろうと練習している」と笑顔で話す。
音楽が続く土壌
「音楽家で『藤沢市民オペラ』を知らない者は少ないだろう」と園田さん。愛知県出身だが、存在は知っており、藤沢は芸術に関して洗練されたまちというイメージをずっと昔から変わらず持っている。同公演は73年から始まったもので、1回目の公演から参加している団員も数人いるとか。「まだ4年ほどしかやっていないが、ベテランが多くいる。若い世代にも興味を持ってもらえれば」と微笑む。
より身近な存在に
16年にはロッシーニの『セミラーミデ』を上演。あまり有名でない作品にも取り組んでおり、12月にも『湖上の美人』を披露する。挑戦ではあるが藤沢でしか聴けないものにしたいという強い思いもある。上演されることの少ない作品の魅力を伝え、オペラが観られる町・藤沢を作りたいという。これまでもより身近に感じてもらうため、トークショーなどイベントも多数開催し、認知の拡大に尽力してきた。「観に来た人が明るい気持ちになればうれしい。残りの任期は作品を完成させるため、とにかく全力で駆け抜けていきたい」
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