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藤沢版 公開:2020年1月24日 エリアトップへ

指揮者中島さん 「目の前のこと、全力で」

文化

公開:2020年1月24日

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指揮棒を手に記念撮影に応じる中島さん。傘寿の現在も年に3、4回はステージでタクトを振るほか、指導にも力を注ぐ
指揮棒を手に記念撮影に応じる中島さん。傘寿の現在も年に3、4回はステージでタクトを振るほか、指導にも力を注ぐ

 50歳を過ぎて音楽大学に入学し、80歳になった今なおプロの指揮者として活躍し続けている男性がいる。かつて大手コンピュータ関連会社に勤めた中島良能(よしのり)さん(80)=鵠沼石上在住。異色の経歴ながら夢を追い続けた半生は曰く、「第二の人生ではなく、2度目の人生」──。

53歳で会社員から転身

 一昨年3月、満席になった戸塚区のホールに美しい哀歌が響き渡った。曲目はフォーレの「レクイエム」。凛々しい立ち姿でタクトを振る姿がそこにあった。

 兵庫県芦屋市の出身。初めて楽器に触れたのは小学6年生のときだった。母親がバイオリンを借りてきてくれ、自主的に学び始めたのが音楽との出会いだ。

 中学ではブラスバンドでトランペットを吹き、高校では作曲や編曲も手掛けるように。音大への進学も考えたが、当時の時代背景や経済的な事情もあり、一度は音楽への道をあきらめた。それでも進学した神戸大の交響楽団では、チェロや指揮を続けた。

 「夢というんですかね。30年間、ずっと音楽をやりたいと思っていた」

 転機は日本IBMに勤めていた53歳のとき。元々57歳で退職するつもりだったが、条件が良かったこともあり、早期退職を決断した。



 退職後、趣味では満足できず、「どうせやるなら」と半年間猛勉強の末、桐朋学園大学の指揮者養成コースに合格。音楽への熱意は誰にも負けないつもりだったが、「やっぱり若い子と比べると覚えるスピードも遅い。自分だけ何度も同じところを繰り返しやらされたりしてね」と苦笑する。

 実力だけみれば見劣りする。なら、今後活動していく上で自分の強みは何か。たどり着いたのは会社員時代に培った人生経験。「音楽家を指揮するマネジメント能力は学生に負けない自信がある。それに幸い英語もできた」

 学校の募集チラシで知って渡航した先はルーマニア。現地の講習会を経て、そこからのつてで国立管弦楽団の客演指揮者を5年間務めた。



 25年前に自らが立ち上げたプロ音楽家集団「湘南エールアンサンブル」の代表を務め、現在も年3、4回は指揮台に上がる。またシニア音楽愛好家のための「湘南リラフィルハーモニー管弦楽団」で指導にも力を注ぐ。

 以前は人生講座の講師なども度々務めた。問いかけたかったのは、第二の人生の「本気度」。「余生としての過ごし方ももちろんあると思う。でも本気でやるなら、目の前のことを全力でないと、はなから同じ土俵にいる人には及ばない」。だから人生をリスタートするつもりで。その発想はこれまでの自身の歩みにも重なる。

 人生100年時代と言われる昨今。いつまでも生き生きと過ごせるための秘訣を問われると生前親交があった故・日野原重明医師(聖路加国際病院名誉院長)の言葉を引用してこう返した。

 「『Keep on going(前向きであれ)』。物事を肯定的にとらえて、まずはそこからスタートすることかな」

㈱平和堂典礼

藤沢市辻堂神台2-2-41 0120-59-6999

https://heiwadou.com/sp/

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