学校に通う子どもたちの安全対策に欠かせない”環境衛生のプロ”として活動する「学校薬剤師」。感染症対策をはじめ、快適な学習環境の整備を行いながらも、あまり知られることのない役職について、藤沢市薬剤師会学校薬剤師部会長の飯島幹雄さん(65)に聞いた。
学校薬剤師は、学校の薬品管理のほか、教室の換気や温度、飲料水やプールの水質、害獣・害虫など学校環境衛生の維持管理全般に関する指導、助言などを行う。学校保健安全法により大学を除くほぼ全ての学校に設置が義務付けられ、定期的に訪問している。
1930年に児童に薬と誤って毒薬を服用させてしまった事件をきっかけに薬の専門家として学校に薬剤師が派遣されるようになり、58年公布の学校保健法で環境衛生の維持管理も扱うようになった。
しかし薬剤師になるためには学校環境衛生の項目は必須ではないため、地域によっては業務の一部を専門業者に委託するケースもある。藤沢市では現在、専門の学習を経た約50人が部会に所属し、薬局などの通常業務と兼任で職務にあたる。
検査作業に支障をきたさないようにするため、学校医や学校歯科医と異なり「トレードマーク」の白衣は着用しない。「用務員と間違えられることも。仕事が知られにくい理由の一つかも」と飯島さんは苦笑する。
適切な消毒方法指導
コロナ禍について飯島さんは「結核や新型インフルなど、40年以上学校薬剤師を続ける中でさまざまな局面があったが、消毒液がなくなったのは初の事態では」と話す。部会では教育委員会を通じ、代替品の適切な濃度や噴霧の仕方などのアドバイスにあたった。「今後も子供たちの環境のためできるかぎりサポートを続けたい」と笑顔を見せた。
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