女の子だって野球がしたい--。藤沢工科高校の若月胡桃(3年)は、昨夏の大会後にマネージャーから選手に転身した。「見ているだけでは我慢できなかった」と、17人いる選手の中で唯一の女子選手になった。残念ながら公式戦への出場は叶わないが、「大好きな野球」を誰よりも楽しんでいる。
若月は小学校1年から、4歳年上の兄と一緒に少年野球チームに入団。すぐに野球が好きになった。高学年になるとチームの要の捕手を任され、男子のスピードある球を受け止めていたという。中学校では野球部が無くソフトボールに熱中。高校でも野球に携わりたいとマネージャーになった。最初は男子との体格や力の差、試合に出場できないことを考えて支える立場を選んだが、過ごす間に「もう一度選手として野球がしたい」という思いがふつふつと沸き上がってきたという。昨年、先輩の引退をきっかけに、意を決して監督や選手に相談すると「いいことじゃないか。やったらいい」と賛同してくれた。
最初はキャッチボールも球が届かないほど。男子に交じり練習するのは大変だと実感した。それでも、グラウンドで球を追いバットを振ることが「楽しくてしょうがなかった」と笑う。
今大会は、スタンドで選手を見守ることになる。実は応援のためにトランペットを練習していたが、大会規定で禁止となってしまった。「声も出せないので、どうしたら頑張って欲しいという気持ちを伝えられるのか」とジレンマはあるが、「選手としてプレーしたいというわがままを聞いてくれたみんなに感謝している。2年半の思いをぶつけてほしい」とエールを送る。
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