見た人が思わずほっこり笑顔に。名付けて「ありがとうカボチャ」―。
石川で農業を営む市川キヨ子さん(74)が一風変わったカボチャを作っている。人の名前や感謝の言葉、市の公式マスコットキャラクターが描かれたものも。一体どうやって作るのか、興味の視線を向けられると布袋からおもむろに取り出したのはドライバー。
「これで文字を書いたり、イラストを描くの」
実は線に見えるのは傷跡。成熟しきる前に表面をひっかくことで自己修復した部分が模様として浮かび上がる。成熟過程のひびが”かさぶた”になり網目状になるマスクメロンと同じ原理だ。
思いついたのは20年ほど前。小売りをしていた際、カボチャが嫌いという男の子の名前を掘ってプレゼントすると、しばらくして母親が笑顔で駆け寄ってきた。「うちの子が食べられるようになったんです」
それがうれしかった。以来、農作物の出荷先で小さな子どもを見つけては名入りのカボチャを贈るように。「喜んで抱っこしたり。名前がついているのがうれしいんでしょうね」。思い出すと思わず目尻がさがる。
今年に入ってからはイラストにも挑戦。偶然市広報で見かけたふじキュンを描き、有志と手作りマスクの売り上げを市に寄贈した際、鈴木恒夫市長にそっと贈呈した。
込めるのは感謝の気持ち。「ありがとうっていう言葉が大好き。誰にでも通じるし、言われた方もうれしいでしょ」
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