昨年の夏、先輩たちが引退すると部員はわずか9人。試合ができるぎりぎりの人数だった。チームには諦めムードが漂っていたが、それでも野球がしたいと、春の大会は野球経験のある生徒をスカウトして出場。今年は1年生が6人入部。公式戦の初勝利を目標に大会に臨む。
「お前しかいない」。先輩にそう説得され主将になった。少人数だが個性の強い部員が揃う野球部。あまり乗り気ではなかったが、効率的な練習方法を見つけたり、選手同士が納得するチームを作ることにやりがいを感じるようになった。「とにかく話す。お互いに思っていることを伝えあって練習や試合に生かしていく」と自分なりのリーダーシップで選手をまとめてきた。
野球は小4から軟式野球チーム「村岡フェニックス」で始めた。卒団後も後輩を教えるサポート役を務め、今でも土日の練習にはOBとして顔を出す。そこで出会った監督やコーチ、仲間たちは今でもかけがえのない存在だ。「野球の楽しさを教わっている。主将としての悩みや相談も聞いてもらって、学ぶことが多い」。練習方法や選手への声かけなどアドバイスを生かすうちに「出来るようになる楽しさ、達成できた時の喜び」を感じるようになったという。
卒業を前に野球と一緒に頑張っているのが、電気工事士の国家資格取得に向けた勉強。先日筆記試験に合格し、あとは技能試験を受けるのみという。大会を前に「今は野球のことで頭がいっぱい。最後は、みんなと勝つ喜びを味わいたい」
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