今年1月にオンライン上のみで実施された成人式の代替イベントとして準備が進んでいた「2021集まる会〜0466(ふるさと)のきゅんフェス」。新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、藤沢市はこのほど中止を決めた。「一度ならず二度までも…」。実行委員の若者らが1月以降、ゼロから企画を練り直してきただけに、落胆ぶりはことさらだった。ただ、同世代の議論や藤沢という街と関わる中で新たな発見もあったという。メンバーに語ってもらった。
――イベントの中止をどのように受け止めていますか。
高橋「昨今の(新型コロナウイルスの感染)状況を鑑みれば仕方がないとは思います。でも、成人式で集まれなかった分、同世代が集う場を作りたくて実行委員の10人はこの1年4カ月を捧げてきた。やはり悔しいというのが率直な思いです」
――どのような企画を予定していたのでしょう。
佐藤「新江ノ島水族館で皆が集まれる場を企画しました。『3密』対策のため開催を2日間に分け、館内で特別仕様の『光の装飾』やサプライズとして花火も。残念ながらイベント自体は実現できませんでしたが、花火を打ち上げた様子は先日SNSを通じて配信しました」
――地元事業者による応援企画(左記事参照)もありました。
佐藤「地元飲食店の経営者の方が持ち込みしてくださり、50以上の事業者様が賛同して特典を用意してくださいました。会場提供は新江ノ島水族館様からのお申し出です。それまで自分たちのことしか考えられていない部分があったのですが、想像よりも皆さんが気にかけてくれたことが本当にうれしかった」
――地元・藤沢を見直す契機になりましたか。
内藤「藤沢という地域のつながりを改めて感じました。温かくて、安心感があるまち。そんな印象が一層強くなりました」
秋山「私は高校を卒業したら藤沢を出ようかと考えていたんですが、『実はめっちゃいい街だったんだな』と気付いた。もう少し残ろうかなと考えています」
――ゼロから企画を練り直してきました。皆さんの絆も深まったのではないでしょうか。
山下「成人式の会場開催が中止になって色々な話し合いをする中で例年になく仲良くなれたのではないかと思います。地元に『こんな面白い人がいるんだ』という出会いもありました」
――若者としてこの街と今後どのように付き合っていきたいと考えますか。
高橋「個人的には今回の活動がボランティアだったからこそ得られるものがあったと思っています。皆が志一つに、真剣に向き合うことができた。社会に出ても、関われる機会があれば参加してみたいと思います」
佐藤「少し視野を広げると藤沢という街の魅力が見えてくるよに思います。私も今回の活動を経て、藤沢のいい所をたくさん発見できた。機会があれば私も携わっていきたいです」
街ぐるみで成人祝い飲食店など割引や特典用意
成人式の会場開催や代替イベントが中止になってしまった若者らにエールを送ろうと、応援企画が立ち上がった。「街ぐるみで成人祝い!We Love Fujisawa」と銘打ち、市内の事業者や団体、個人など50以上が協力。飲食店を中心に独自の割引サービスや特典を用意する。
発案したのは南藤沢でイタリア料理店「タントタント」を営む鈴木一哉さん(49)。晴れ舞台に足を運ぶことが出来なくなった成人らを少しでも応援しようとSNSで協力を募ったところ瞬く間に賛同の輪が広がった。「飲食店だけでなく、商店会や個人で活動する人まで多くの協力が集まった。皆コロナで疲弊しているが、新成人を何とか応援したいという気持ちの表れだと思う」と鈴木さん。自身も地産の食材を使った「藤沢朝食プレート」(1500円相当)100食分を用意した。
対象は今年1月の成人式に出席予定だった人。市が対象者に配付したチラシを提示するか、身分証を提示する。期間は12月31日まで。各店が用意した数がなくなり次第終了。問い合わせはタントタント鈴木さん【電話】0466・24・4785へ。
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