埼玉大学大学院理工学研究科の小林貴訓准教授=茅ヶ崎市出身=と東京工科大学メディア学部の山崎晶子准教授らが1月21日、エメロードの茅ヶ崎ショッピングセンター=市内新栄町=でスマートフォンを利用して高齢者が自宅に居ながら家族の買い物に参加する実験を行った。
実験は客が希望する商品の売り場へ自動で案内する「自律移動ショッピングカート」を開発した小林准教授と、「人と人との関わりをロボットにどう活かすか」を検証しようと山崎准教授と研究室の学生らが協同で実施。同センターと自宅を想定した浜之郷自治会館で行われた。
スマートフォンのテレビ電話機能やワイヤレスマイク、スピーカーを使い実際に売場に来る人が画面に商品を映し、自宅側の人が画面を通じ買いたいものや見たい売場などを伝え買い物に参加するというこの実験。小林准教授が茅ヶ崎市出身であることなどから今回同センターで行われた。
この日実験に協力した齋藤千晴さん=南湖在住=は、学生のサポートを受けながら画面の向こう側の義父の實さん(83)と会話をして同センター内の店舗で漬物などを購入。買い物の後は近くの厳島神社へ出向き、境内を映しながら「義父と共に」参拝した。齋藤さんは「画面を通じてコミュニケーションがとれて良かった。外出できない人が外の世界を見られるのも良い」と感想を話し、實さんも「歩けなくなったら便利。行きたいところへ行けるいいシステム」と話した。山崎准教授は「外出できなくなった高齢者が一緒に歩いている気持ちになり、以前通っていた顔なじみの店員さんと画面を通じて新たな記憶を作り出せる。『また行きたい』と生きる張り合いになるのでは。どのような社会のニーズがあるのかさらに研究したい」と話した。
自律カートの実験も
小林准教授は「今回のように高齢者が自宅から買い物に参加するほか、買い物をしている高齢者を遠隔で見守ることもできるのでは。今回はどこにカメラやマイクを設置するのが良いか知ることができた。将来的には自律移動カートにテレビ電話機能をつけたいと考えている」と成果を話した。 自律移動カートの実験は大手流通チェーン店ではすでに実証済みだが、街の商店街でどのように活用できるかなどを今年4月に同センターで実験する予定。
同センターの津田眞利さんは「商店街に多くの方が足を運んでくれることで地域の活性化にもつながる。実用化が楽しみ」と話した。
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