学芸員のイチ推し! -連載 Vol.19-
県内最古の聖徳太子二歳像
現在の国道1号は、茅ヶ崎市内の場合、江戸時代の東海道と一致しています。東海道沿いの小和田(こわだ)には、浄土真宗(じょうどしんしゅう)の上正寺(じょうしょうじ)があります。上正寺の境内にはかつて、太子堂というお堂があり、そこに安置されていたとみられるのが聖徳太子二歳像(しょうとくたいしにさいぞう)というお像です。聖徳太子(574年〜622年)がみずから刻んだという伝承もありますが、本像は南北朝時代のものとみられ、神奈川県内では本像のほかに、中世に遡る太子二歳像は知られていません。
太子二歳像とは、太子が2歳のとき、東に向かって「南無仏(なむぶつ)」と唱えて合掌すると、手の中から仏舎利(ぶっしゃり)(釈迦(しゃか)の遺骨)が現れたとする伝説にもとづき、その姿を象(かたど)ったものです。この像は、幼児というより少年のような面持ちをしています。
茅ヶ崎市博物館では、4月27日(土)から7月7日(日)にかけて、春の特別展「東海道中お寺めぐり」として、文化3年(1806)に完成した「東海道分間延絵図(とうかいどうぶんけんのべえず)」に登場する東海道沿いの村やお寺などに焦点を当て、市内の貴重な品々を紹介します。茅ヶ崎市指定重要文化財ともなっている上正寺の聖徳太子二歳像も展示されますので、この機会にぜひご覧ください。
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