女性の視点から市民へ防災の知識や技術を普及している「なでしこ防災ネット(吉田トシ子代表・会員11人)」が、2月26日に「有明の丘基幹的広域防災拠点施設(東京都)」で行われた「防災教育チャレンジプラン2010年度ワークショップ」に参加、全国から選出された17団体のうち、2番目にあたる「防災教育優秀賞」を市内で初めて受賞した。
「防災教育優秀賞」に輝いた「なでしこ防災ネット」の取り組みは、「もしもの時の災害時協力井戸・湧水MAp」の作成。生活用水は災害時のライフラインの1つであることと、市が調べた「災害時における井戸水等の使用協力調査」は、平成9年と古く、再調査を検討していたことを機に、最新版の作成を決めた。
後継者育成も含め今回、同団体のメンバーだけでなく、昨年6月に市内中高生を対象にボランティアを募ると、80人が参加。市防災課を通して市内で井戸や湧水を持つ家243件に協力を依頼したところ、119件が賛同した。
生徒と現況調査した結果、使用できる井戸や湧水は合計108件であることが分かった。市の調査では住所と所有者のみの記載だったため、目で見て場所がすぐに分かるよう、各所の写真を撮影、秦野市の地図に落とし込みマップ形式にした。また視覚障害者向けには、点訳版のマップなども作った。
学生代表の曽我星司さん(西中3年)は「知らない人の家に行き、調査をするのが一番大変だった。でも、思った以上にすばらしい地図が完成したので良かった」と振り返る。
中高生との連携が高評価
選考の結果、今回のマップづくりでは、中学生など若い世代と連携したことに加え、「視覚障害者などの災害時要援護者への配慮が感じられた」ことが高評価を受けた。
吉田代表は「地域や中学生、行政など皆さんに協力していただいたからもらえた賞です」と話した。
なでしこ防災ネットは、平成17年に結成。秦野市を拠点に行政や地域ボランティアなどと連携し、主に親子や障害者へ防災の知識や技能を普及する団体。平成20年度の同プランで「防災教育特別賞」を受賞したほか「かながわボランタリー活動推進基金21・平成21年度ボランタリー活動奨励賞」にも選ばれている。
ワークショップは、防災教育の場の拡大や質の向上に役立つ資産を作ることを目的に毎年行われている。主催は内閣府と同プラン実行委員会。全国から参加希望団体を募り、1年間活動を支援、各団体が実践した結果をもとに表彰する。今年度は37団体が応募、17団体が選考対象となった。
なお同ネットは今後、地図を市内で開催される講習会などで配布する予定。問合せは市防災課【電話】0463(82)9621へ。
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