商工業者の「心の健康」探る 市内中小企業対象に調査
2010年度・2011年度で秦野市と秦野商工会議所が株式会社ジャパンEAPシステムズと共同で行った、市内中小企業で働く商・工業者のストレスチェック。その集計分析がこのほど終了した。
ストレスチェックは、社員の心の健康から職場の問題把握などを行う調査。秦野市では以前から職員を対象に実施していた。
2010年度は市内工業製造業従事者を対象に10社319人が回答。2011年度は商工系事業所従事者237人から回答を得た。ともに従業員数が100人を下回る中小企業だ。同社によると中小企業のみを対象としたストレスチェックは国内でも珍しいという。
今回の調査から分析された秦野市全体のストレス傾向は、工業従事者では従業員100人以上の企業と比べてストレス数値が大幅に高く、反対に商工系事業所従事者は低く良好だった。
工業製造業従事者では、報酬や、企業からの評価、情報共有に対して特に強い不満が見られ、商工系事業所従事者では、2〜10人未満の事務所と11〜50人未満の事業所を比較し、事業所規模が大きくなるとストレスも相対的に高くなるとの分析結果が出た。
結果を受け同会議所は、業務環境や内容によっては、中小企業でも大規模企業同様に人間関係やコミュニケーションなどに問題が生じると分析。「社員の精神状態を把握するためだけでなく、自殺防止の目的としてもまず社員同士のコミュニケーションが大切では」と話した。
ストレスチェックで自殺対策
ストレスによる心の病は仕事の能率低下だけでなく、自殺に影響することもある。秦野市の自殺者の割合は2004年以降県平均を上回っている。今回の調査は、市の自殺対策事業の一環として行われた。
共同で調査を行った(株)ジャパンEAPシステムズは従業員支援プログラム(従業員の心の健康状態を広くケアするサービス。略称EAP)を専門とする。同社にとって今回の共同調査は、地域の中小企業のメンタルヘルス対策の状況把握とともに、日頃メンタルヘルスを考える機会の少ない個人事業主や小規模事業所の従業員にストレスチェックを体験してもらう意味合いもあったという。
同会議所では、7年前から会員向けのメンタルヘルスケア研修会を行っており、次回は11月22日(木)を予定。メンタルヘルス対応の基礎知識などを予定している。問合せは同会議所【電話】0463・81・1355へ。
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