さがみはら中央区版 掲載号:2011年6月16日号
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著書「野生動物と共存できるか」が中学校の教科書に掲載された、麻布大学教授 高槻成紀(せいき)さん 東京都小平市在住 61歳

共存のカギはつながり

 ○…「子どもたちが見るので、責任が大きいですよね」と慎重に語る。今春出版された中学2年生の国語の教科書に、著書『野生動物と共存できるか』が掲載された。その決め手になったのは、論理的で分かりやすい文章だった。麻布大学では、生態系を守るための「保全生態学」を専門に教鞭を執る。著書の中でも学生相手でも、自然界で起きている複雑なことを易しい言葉で伝えるよう心がける。

 ○…鳥取県出身。幼少の頃から生き物好きで、森に行ってカブトムシを捕まえたり、川でカニを追いかけたり。家では愛読書『ファーブル昆虫記』に夢中に。感情におぼれず論理的に昆虫の暮らしを解き明かす文章に、胸がわくわく感でいっぱいになった。同時に、生き物を調べ続ける人生に憧れも芽生え始めた。その思いは変わらず、高校生のとき「生物学者」を目指す進路に心を決めた。

 ○…昭和44年、東北大学に入学。研究で訪れた宮城県の金華山で、野生のシカに出会う。新緑の中を悠々と生きる大型動物と初めて対面し、胸が震えた。観察を続けるうち、シカと餌になる植物の数は微妙なバランスを保っていることに気づく。絶滅しそうな生き物を保護するときも、農作物を荒らす動物を減らそうとするときも、配慮すべきは動物だけでなく彼らとリンクしている環境。当時まだ「保全生態学」という言葉は無く、知らない内に新しい学問の道を歩み始めた。

 ○…それから30年以上たった現在でも、シカの研究を続けている。「動物や植物とのつながりを大切にすることが当たり前だった社会に、もう一度なってほしい」。少年時代の情景を思い返し、そう切望する。「このままではいけないことに気づくのは、大人の責任だと思います」。使命感を燃やす瞳の奥には、自然と人間が共に生きる未来が浮かんでいた。
 

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