ロンドン五輪出場を目指す110mハードル選手 佐藤大志(ひろゆき)さん 青山学院大学3年 21歳
勝負の年 夢の大舞台まで僅か
○…今シーズンの自己ベストは13秒67。ロンドン五輪の参加標準記録A(13秒52)まであと僅か。「良い形で終えられた。52を目指せる位置まで来ている」。4月上旬にスタートする来シーズンでは、早々に開催されるグランプリシリーズでA標準のタイムを切るつもりだ。一昨年、昨年と比べて「今はすべてにおいて良い。着実に力が付いている実感がある」。淡々とした語り口に熱い想いがにじむ。
○…足に自信があったことや姉の影響から、中学で陸上部へ入部。3年生から始めたハードルで県大会2位を収める。高校でも徐々に成績を伸ばし、3年では念願のインターハイに出場。しかし結果は準優勝。「1番になったことがなかった」。常に自分より上の者の背中を追いかける競技人生。「頑張らなきゃ、一番にならなきゃという気持ちが原動力」でやってきた。
○…理工学部に通う今は、人間の構造がわかる生命科学が興味の的。春を迎えれば研究室配属となり、さらに忙しい毎日が待っている。競技と勉学との狭間での息抜きは「友だちとのごはん」。シーズンオフ中は週5日、1日4時間程度、集中してトレーニングをこなす。憧れや目標とする選手はいない。「それを目標にしては上へ行けないから」とあくまでストイック。でも「妥協はあると思う。パンクしちゃうから」とはにかむ。
○…昨秋、全国大会で初のタイトルを勝ち取る。「周りから『できる』と言われていたから嬉しさよりもほっとした」。しかし頂点に立ったおごりは微塵もない。ベストタイムも結果としてついてきただけ。「最低で13秒52と思っている。立ち止まっている暇はない」。卒業後に自身が歩む道も今年次第と、学生最後の1年を勝負の年と位置づける。「夢はオリンピックで決勝を走ること」。自らに厳しく前を向き、大舞台行きのチケット奪取を目指す。
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