地域で“菊御殿”と呼ばれる自宅で、色鮮やかな菊を育てている 佐藤 美代治さん 緑区青野原在住 68歳
母との思い出の菊を大切に
○…国道413号から通称「道志みち」を入って少しいくと、秋になると赤・白・黄色・ピンク・オレンジなど色鮮やかな3本立ての菊やざる菊など約300鉢が並ぶ、ひと際目立つ邸宅がある。”菊御殿”。近所からはそう呼ばれる。どれも丹精込めて育てた菊たち。「菊は土作りが非常に大切ですが、青野原は気候とともに、養分が抱負な豊かな土壌に恵まれ、菊作りに適している地域です」と話す。晩秋には口コミで噂が広まり、多くの人が見学に訪れる。
○…30数年前に母親が育てていた菊づくりを手伝ったのが始まり。10年前、母親が他界してから「母親の思い出の残るこの菊をずっと残すことが、大好きだった母を忘れないでいることになる」と、菊づくりは趣味の枠を超えた大きなものになっていった。最初は失敗や苦労も多く試行錯誤の連続。しかし、自己流で育て方を研究し、数多くの菊が立派な花を咲かせるようになった。今では大切に育てるその姿に感銘を受け、母と交流のあった近所の人たちが手伝いにきてくれている。「菊は愛情を注げば、注いだだけ立派に育ってくれます。まるで子育てをしているみたいですね」
○…津久井生まれの津久井育ち。定年まで旧津久井町役場に勤務。退職後も地域の活動・イベントなどに積極的に参加、現在では地区の民生委員を務める。「青野原は自然豊かで、本当に過ごしやすい場所です。少しでも地域に貢献できれば」と強調する。
○…現在の夢は、菊を育てる輪を青野原地域全体に広げ、菊を地域の名産にすること。そのために、全国各地の名産地を巡る旅行に出掛け、育て方や見せ方を学ぶ。また、自身が育てた菊を近隣住民宅に飾ってもらうなど、菊の輪が少しずつ広がっている。「この辺りは高齢化や過疎化が進んでいますが、”菊の街”青野原が浸透して、地域発展に貢献できれば良いですね」と嬉しそうに話してくれた。
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