東日本実現団空手道連盟理事長に就任した 大澤 寛さん 共和在住 62歳
強くやさしい、我らの師範
◯…空手は戦うための手段ではない。自分、家族の身を守るために覚えるもの。全空連・公認5段。日本空手道翔成會(しょうせいかい)(共和・鵜野森)の師範として、50人以上の門下生を見守る。「勝てばいいというものではない」。大会で優勝し、ガッツポーズをした長男(小学生の時)をその場で叱ったこともある。全ての恩に感謝しまわりの人を大切にすること――(道場訓の1訓)。空手を通じた人間形成に力を注ぐ。
◯…岩手県釜石市の出身。地元の新日鉄に就職した。29歳の時、結婚し2人の子どもを授かる。空手は長男が幼稚園児の時にはじめたのがきっかけ。教えるために、自分も学んだ。そしていつの間にか長女も妻もその輪の中に。空手一家が誕生した。現在、妻(公認5段)は師範代を務め、道場を支える。長男(30・2段)は、防衛省勤務で二尉。長女(29・3段)はこのほど行われた実業団の大会で5連覇を成し遂げた。
◯…空手の世界人口は5千万人に及ぶという。日本では「武道」だが、海外では「スポーツ」の色合いが強い。他の競技同様、インターナショナルルールは常に変化していく。理事長に就任し、初めての大会(5月)では約2年間準備し、「面防具をつけない」国際ルールを導入。結果、選手の意識が高くなり、けが人が一気に減った。世界に合わせる必要性を強く感じている。
◯…住み慣れた故郷を離れ相模原へ。会社で空手部を立ち上げた。「こっちの人じゃなかったからさ」。それだけで何度も苦い思いをしたそう。だからこそ、「子どもたちにそういう思いをさせたくない」。そんな”やさしさ”で道場を創設。勝てばいいというものではないが、もちろん強くなければならない。たくましい門下生は毎回市の大会で上位を独占する。先日、彼らからサプライズの就任祝いがあり、それが「これまでで一番嬉しかったこと」という。「自分のことはいつも一番最後。世界一尊敬できる人」。家族はそう口を揃える。
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