今年5月から相模原市幼稚園協会会長を務めている 岩本(いわもと)勉(つとむ)さん 南区上鶴間本町在住 59歳
「子どもたちが先生」
○…幼児教育はすぐに結果が出るものではない。しかし、人間の「根」の部分を作る重要な責務を担っている。「社会的に評価されにくい地道な仕事」。幼児教育に携わる人間に光が当たることを望む。一方で日本の政策が子どもや子を持つ親の方を向いていないことを案ずる。「女性のライフステージに合わせ、産後の職場復帰やワーキングシェアをより促進しないと少子化など解決していかない」
○…川崎市多摩区出身。両親は教員、親戚も学校関係者が多い教育家系。幼稚園入園前に転居し、小、中と南区で育つ。当時周辺は「野原と林だらけ」。林から調達した資材で仲間と舟を作る。境川へ浮かべ、いざ江の島へ。「それが10mくらいしか進まないんだよ」。微笑ましい思い出だ。小学校の感想文コンクール入賞を機に「書く仕事」に興味を持ち、中学の頃から記者を志望。立教大学社会学部から時事通信社へ入社した。
○…園長を務める南大野幼稚園は40年前、伯父と母が設立した。その後継となるべく通信社を辞め、近隣の学校などで講師として経験を積んだ。しかし、いざ園児と相対すると最初は「何の話をすればいいんだろう」と戸惑った。その答えは、園児と共に過ごす中で模索していった。「子どもが先生でした」。現在、保育内容総論の教員として立つ大学の教壇では「現場では毎日応用問題を解くようなもの」と学生に伝える。幼稚園の教育には「答えがないこと」が多い。物事に柔軟に対応できる人間力が教育者にとって重要と考える。
○…趣味は音楽鑑賞。音響機器一つとっても、「ハンガリー製、いやポーランド、チェコも良い」とこだわる。ジャズ、クラシックをはじめローリング・ストーンズなどロックも聴く。学生時代はテニス、ヨットなどにも打ち込んだが、今はなかなか趣味に時間を割けず、最近手に入れたカヤックもなかなかお披露目の機会がない。近頃は、夫人とのサイクリングが息抜きだ。
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