紙を使った作品で競うアートコンクール・紙わざ大賞を受賞した 陶山(すやま) 岳志さん 南橋本在住 24歳
「紙」に魅せられ可能性追求
○…紙で作られた白く繊細な柱たちが16個の石を持ち上げる神秘的な作品「霜柱(しもばしら)」で、紙わざ大賞を受賞。紙さえ使えば、作品の大きさや形態には制限のない同賞。圧倒的に緻密な作品を作り上げながらも、「まさか獲れるとは」と驚きを隠せない。
○…多摩美術大学で環境デザイン学科を専攻し、現在は同大学で職員として働く。学生時代は同級生から紙に対する情熱やこだわりを表して「異常」と冗談を言われるほど、紙のことばかり考える生活を送った。紙との出合いは同大学受験の実技試験のとき。「コーヒーフィルターを使っての作品づくり」が出題され、取り組む中で紙が持つ秘めた魅力や可能性を見出す。入学後、折り紙で制作した作品がデザインコンクールで大賞を獲得し、自身のアイデンティティに気付かされた。それ以来、同大学の教授で空間デザインを専門とする恩師に師事。紙と向き合い、様々な形に変形、加工し組み立てる表現技法の研究に没頭した。
○…自身の性格を「凝り性」と表現する。趣味も突き詰めないと気が済まず、「カメラ」に夢中になった際には暇さえあれば町へ飛び出し、友人やお気に入りの風景などを撮って回った。現在は紙作りが何よりの趣味。「1枚1枚の質感や表情が違うのが、手作りだと分かる」と熱意を見せる。
○…作品制作をきっかけにデザインを学び、「人の役に立つものを作りたい」という思いが芽生えた。その思いの実現のために、新たな目標として胸に抱くのは「紙などを使った作品による町おこし」。過疎地域を活性化するため空き家を活用し、作品展示で内外から集客するとともに、交流が生まれるコミュニティづくりを図る。紙が持つ力で、地域に活力を。制作に向ける情熱を様々な分野に拡大していく。
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