神奈川県警は20日、75歳以上の免許更新者が義務付けられている「認知機能検査」を、中央区東淵野辺の自動車販売店「トヨタモビリティ神奈川 淵野辺店」で実施した。自動車販売店での同検査の実施は県内初。検査が混雑し待ち日数が80日以上かかっているという課題を受け、その解消につながればと同社が県警に協力した。
混雑待ち日数解消めざす
県内初
会場を提供したのは、同店を運営する神奈川トヨタ自動車(横浜市神奈川区)。昨年8月、高齢運転者の支援に関して県警と協定を結んでおり今回、その一環として同社が会場提供を申し出た。
認知機能検査は、運転免許証の更新期間が満了する日での年齢が75歳以上になる人らを対象に、高齢者講習を受講する前の実施が義務付けられている。実施会場は運転免許センター(横浜市)、または自動車教習所などとなっている。
ただ、県内の高齢ドライバーの増加に伴い、検査の待ち日数が課題にあげられている。県警によると昨年12月末時点の調べで待ち日数は「平均88・6日」(高齢者講習、認知機能検査含む)。一方、75歳以上で免許更新にあたる人は今年およそ14万人おり今後も増加が予想される。ある自動車教習所は「大変多くの申し込みがあり、特定の日に一定期間の受付をしている。ただ、つながらないほど電話が集中したりして対応に苦労する点もある」と話す。
今後も予定
そのような中、検査に必要な条件を満たした場所を持つ店舗を同社が県警に案内し今回、初めて実施に至った。当日は県警職員5人が店舗を訪れ、3回に分かれ合計18人が検査を受けた。同店で検査を受けたのは免許センターに問い合わせをし近隣の実施会場を案内された人ら。同店では今後も定期的に会場を提供していく予定だ。
このような民間企業の協力に対し県警は「大変ありがたく、これからも期待したい」と話し、同社は「ドライバーの運転支援を通じて、安心安全な社会づくりに貢献していきたい」としている。
県自動車販売店協会(横浜市)は「県警や販売店からの依頼があればぜひ協力したい」と話した。
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