2023年度文部科学大臣表彰生涯スポーツ功労者表彰を受賞した 柏木 眞子(なおこ)さん 上溝在住 78歳
卓球一筋、後進育成に励む
○…この度の受賞に「夢にも思わなかった。光栄なことです」と微笑む。恐れ多いと辞退も考えたが「後進のためにも受けてほしい」と関係者に薦められ、快諾した。「周りの人が喜んでくれて、それが何よりうれしかった」。県や市の卓球協会の副会長や審判部長、指導員養成などを兼務する多忙な日々。「自分の役割は底辺にいる競技者を育てること。選手たちが楽しみながら技術を磨く手助けをしたい」
○…九州福岡出身。運動が得意で「負けん気の強い」子どもだった。中学の部活で初めて卓球に触れた時は「こんなもんかな」と、それほど魅力を感じなかったが、次第に「やり始めたら負けたくないって思って。とにかく必死で練習した」と振り返る。昼夜の練習にも「辛いと感じたことはない。負けるのが嫌だった」と笑う。その「負けん気」が力となり、インターハイや国体で活躍する選手へと成長。高校、大学、実業団と卓球一筋で駆け上がっていった。
○…「卓球は二度としない」と決め、結婚を機に引退。相模原へ移り住んだのは42歳の時。友人がおらず家事だけの毎日に「社会から取り残されたような気がした」。そんな時、押し入れから古いユニフォームとラケット1本を見付け、「全て捨てたはずだったのに残っていた。もう一度やってみよう」。再開すると仲間もでき、自身の生活は充実したが「子どもたちは寂しかったみたい。卓球嫌いになってしまって」と苦笑する。
○…「そろそろ役員からは退きたい」が本音。それまで「指導員や審判の若い人材を発掘しなければ」と課題克服のため邁進する。2年前に股関節を手術、まだ以前のようにプレーはできないが「卓球はまだまだ続けたい」。そう語る表情に楽しさが満ち溢れていた。
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