4月1日付で相模原市消防局長に就任した 岩田 進一さん 緑区寸沢嵐在住 58歳
一所懸命に全力投球
○…「市民の安全・安心の確保。それが一番大事。そのために実災害に備えた、日頃の訓練を大事にしていきたい」。これまでに相模原市消防局で警防課長、予防課長などを歴任。3年務めた副局長を経て、この4月から局長に就任した。消防局の最高責任者で、消防行政を司る役目を担う。「市民の命と財産を守り、730人の署員にケガがないよう責任と覚悟をもって臨みたい」と抱負を語る。
○…「人のためになる仕事をしたい」。その思いから1974年に入局。相模原消防署消防隊に配属され、その後数々の現場を経験してきた。印象に残っているのが、第2次救助隊隊長として出動した阪神淡路大震災の現場。神戸市消防局の荒れた室内、崩れ落ちている高速道路の橋脚、道路にできたギャップ…。そうした環境下で、行方不明者リストを持って救助活動にあたった。「あの凄惨な現場は揺れの凄まじさを実感した。今でも鮮明に記憶に残っています」
○…相模原市は、市街地だけでなく、山林、湖、高速道路での災害対応が必要とされる。またいつ起こるかわからない首都直下型地震。その時に怖いのは火災だという。東日本大震災を受け、昨年、市の”震災消防計画”を改訂し、消火活動に必要な水源の確保等、より現実的に活動できるよう見直しを行った。また”地域に根差した防災の要”として消防団の存在にも注目する。「消防力が高い消防団は貴重な存在。日頃から合同訓練などを行い、有事に連携できるよう備えていきたい」と話す。
○…休みの日は、家の畑いじりが日課。小さい頃から山登りが好きで、丹沢の縦走やアルプスにも登った。ただここ何年も山には足を踏み入れていない。いつでも災害に対応しなければならないからだ。「定年まで山はお預け。局長として任命を受けた限り、一所懸命に全力投球でこの任を全うしたい」。そう話す顔は責任感にあふれていた。
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