今年は伊勢神宮の式年遷宮に注目が集まっている。こうした中、伊勢原市では大山阿夫利神社(目黒仁宮司)で昨年8月、山頂本社に祭られている大山祇神(おおやまづみのかみ)の娘磐長姫(いわながひめ)が下社の浅間神社に祭られる「遷座」が行われた。今月6月1日には、遷座後初の例祭も開かれた。浅間神社にはこれまで大山祇神の娘木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が祭られていた。
例祭には、神社関係者らおよそ60人が参列。浅間神社前で行われた祭事の後、本殿では磐長姫の遷座に尽力した吟剣詩舞道橘流一門による舞の奉納も行われた。題目は「双姫月光の舞」。木花咲耶姫と磐長姫のきずなを表現した。「家族が一つになれてよかった」。奉納の舞で木花咲耶姫にふんした逸見信子さん(大山在住・写真右)はこう振り返る。信子さんにとって磐長姫の遷座は悲願であった。
大山祇神
1300年前に書かれた古事記に記述のある大山祇神。国を司る神として大山阿夫利神社の山頂本社に祭られる大山祇神には、磐長姫・木花咲耶姫の2人の娘がいた。天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫、迩迩芸命(ににぎのみこと)が地上に降臨した際、大山祇神は2人を差し出したが姉の磐長姫は気に入られずに帰され、妹の木花咲耶姫だけを妻にした。
現在、木花咲耶姫は世を繁栄させる神として、富士山本宮浅間大社と全国2千カ所以上の浅間神社に祭られ、阿夫利神社下社の浅間神社にも鎮座する。一方、磐長姫を祭る神社は全国でも少ないといわれる。
「磐長姫は一体今どこにいるのだろう」。古事記に詳しい信子さんの頭には常にこの問いがあったという。
そんな信子さんに転機が訪れたのは今から8年前。孫を連れて静岡県の大室山へ行った時、山中にあった浅間神社に磐長姫が祭られていることを知った。
「父と妹が鎮座する阿夫利神社に磐長姫もお祭りしたい」。信子さんは、神社関係者に協力を依頼。吟剣詩舞道橘流のメンバーでもある信子さんは、3年前から一門で大山神話の神前奉納を阿夫利神社で行った。
こうした取り組みの甲斐あって、昨年8月12日には磐長姫の遷座式が執り行われることに。これにより磐長姫は父、妹と阿夫利神社に祭られることになった。
磐長姫の帰還を知る人はまだ少ない。信子さんは「浅間神社で家族のきずなをあらためて感じてほしいですね」と話した。
来年以降の浅間神社例祭について、目黒宮司は「今年のように両神の大祭として行いたい」と話している。
伊勢原版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
愛甲石田駅近く家族葬専用式場「ゆかりえ」家族葬から樹木葬。友引の日に無料相談会を開催しています。 |
愛甲石田駅近く家族葬専用式場「ゆかりえ」家族葬から樹木葬。友引の日に無料相談会を開催しています。 |
<PR>