市内日向の日向神社近くの谷戸田周辺で7月15日(日)、害虫を追い払い豊作を願う伝統行事「虫送り」が行われる。時代の変化とともに減少した同催しを、NPO法人伊勢原森林里山研究会(山口寿則理事長)が2016年に復活。当日はあぜ道などに500個の竹灯籠が灯る。
虫送りは日本の伝統行事のひとつで、田植えが終わった後に農村で稲などにつく害虫を駆除し、その年の豊作を祈願するもの。日向をはじめ、市内でも行われていた記録が民俗史に残っているが、農薬の普及などの理由から次第に実施する地域が減少。そんな中、里山の再生を目的に活動するNPO法人伊勢原森林里山研究会が2016年に日向の谷戸田で再開した。
谷戸田は市が休耕地保全のためオーナーを募り再生を目指してきた場所。同法人が市から委託を受け、田植えから収穫までをサポートしている。
昨年までは同谷戸田のオーナーと同法人が行ってきた虫送り。しかし「地域の伝統行事を残すのは地域の協力が必要」であること、また市の民俗史の虫送りの項目に山伏を連想させる記述が残っていたことから地元と「宝城坊神木のぼり保存会」に相談。両者の協力を得て、会場の規模などを拡大して開催する運びとなった。
当日は、日向薬師の住職が虫供養のお経を上げた後、同保存会の会員が扮する山伏を先頭に参加者らがたいまつをもって練り歩き、火の灯された500個の竹灯籠をあぜ道などに置き「送れ、送れ、虫送れ。今年も豊作満作だ」の掛け声をかけ豊作を願う。
山口理事長は「虫送りは稲作文化のひとつであり後世に残していく必要がある。いずれは地元の方々が主体で続けてくれれば」と話している。
時間は午後5時から8時までで、集合は日向神社(日向薬師バス停そば)(4時半受付)。竹灯籠は先着500個で参加費は100円(竹灯籠代)。来場は公共交通機関を。
問合せは同研究会/【電話】0463・95・0234へ。
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