三ノ宮字竹ノ内にある市指定文化財の浄業寺跡を整備し、新たな観光客を誘致しようとこのほど地権者らが、浄業寺史跡保存活用委員会を立ち上げた。同委員会では11月末に竹を伐採し、将来的には駐車場の整備なども視野に入れている。
1969(昭和44)年に市指定文化財に指定されている浄業寺跡。県道612号(上粕屋南金目線)から県道611号(大山道)につながる、現在建設中の道路脇のうっそうと茂る竹林の中に墓石がひっそりと祀られている。
「新編相模国風土記稿」によると、浄業寺は鎌倉時代の1201年に源頼朝夫人の北条政子によって建立されたと伝えられている。鎌倉幕府滅亡後は足利将軍家の直轄領を経て、その後長く荒廃した。江戸時代前期に中国の禅僧・隠元が渡来して禅宗の一派である黄檗宗を伝えてその後に再興。明治維新以降は寺領も減り檀家も少なくなり、1904年の大雨で裏山が崩壊。建物が壊滅し1908年に廃寺になった。
同所には雲首と呼ばれる脳髄のような形に彫刻された石を乗せる六角形の墓石が並び、黄檗宗の歴代住職などの墓石が並んでいる。
新たな観光スポットに
同委員会は能満寺(三ノ宮)の松本隆行住職が中心となって立ち上げた。松本住職は、今年夏から、三ノ宮地区の「伯母様」に60年前廃寺になった高岳院を10年後をめどに再建し、三ノ宮地区に新たな観光スポットを作り、まちおこしをしようと活動。高岳院と関係があった浄業寺跡にも以前から着目してきた。
そうした中、大山に続く新しい道路が開通すれば、多くの観光客が史跡を訪れるようになると判断。今のままでは、竹が邪魔で観光客がケガをしかねないと考え、墓を管理する小田原の紹太寺と史跡の地権者である能満寺の檀家に相談。両者からの協力を得た。松本住職は「新しい道路ができれば、史跡が日の目を見る。きれいに整備し市と協議の上で、将来的には駐車場の整備なども考えていきたい」と話す。
委員会では今後委員長を選出し、11月末に地域住民ボランティアらとともに竹の伐採を計画している。松本住職によれば、能満寺には再建活動を進めている高岳院の本尊だった、聖観世音菩薩像が安置されていて、同像は浄業寺の菩薩像であったことを想起させる記述が残っているという。「北条政子が建立した浄業寺は、高岳院との関係など歴史上重要な寺だった。高岳院と合わせて三ノ宮や伊勢原の新たな観光資源として市内外にPRすれば、新たなまちおこしになる」と期待を寄せている。
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