藤沢市では、熱中症による救急搬送者数が急増している。今年1月から先月30日までの搬送者数は12件で、過去最高のペース。昨年同時期の7件に比べて約2倍となっている。本格的な夏が到来し、藤沢市消防本部では熱中症患者の一層の増加に警戒を強めている。
記録的な猛暑となった昨年の夏は、熱中症の搬送者数も139件と記録を取りはじめた1997年から最多となり、一昨年の43件から約3・3倍だった。今年は昨年を大きく超えるペースで搬送者が増えている。
気象庁発表の今年の6月の市内の最高気温は31・3度(観測地点・辻堂)で、昨年の28・7度、一昨年の29・2度を上回る。藤沢市消防本部は「今夏も連日の暑さが予想される。暑い日が続くと救急搬送者数が増える傾向がある」と注意を呼びかける。
藤沢で発症率高く就労層も警戒必要
7月に入ると救急搬送はさらに増え、7月10日現在で累計28件。内訳は13歳以上18歳未満が2件、18歳以上40歳未満が9件、40歳以上65歳未満が6件、65歳以上75歳未満が3件、75歳以上が8件。このうち、軽症が13件、中等症が13件、重症が2件となっていた。重症化したのは2人とも65歳以上の高齢者。また、学校などの集団での発症や、死亡例は今のところ報告されていない。
子どもや高齢者は発症や重症化のリスクが一般的に高いと言われるが、藤沢では就労世代の発症も目立つ。外仕事や外回りなどで気温の高い屋外に出る場面でのケースが多いという。しかし、屋内であっても発症の可能性はあり、市消防本部は「こまめな水分補給が予防の基本。のどが渇く前に水分を摂ることが重要で、対策にはスポーツ飲料などが最適」と話す。
霧吹きや打ち水「気化熱」有効に
今年は「節電の夏」で涼しい環境をつくりにくくなっており、より注意が必要となる。そこで、「電力も使わず誰にでもできる」というのが打ち水など、水が蒸発する時の気化熱を有効に利用する方法だという。
霧吹きで体に水を吹きかけ、団扇などであおぐと涼しくなるのも気化熱の原理で、有効に涼を得ることができる。これは救急隊が熱中症患者の体温を下げる時にも用いるという。
熱中症はめまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気などの症状が出るが、重症化すると意識障害や運動障害などが出る場合も。「熱中症が起因となって心臓病などの持病が悪化するケースもある。体調管理に気をつけ、予防に努めてもらいたい」と話した。
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