藤沢市は、県内初となる24時間救急隊員常駐型の救急ワークステーションを藤沢市民病院の敷地内に建設、8月1日から運用を開始した。救急隊と医師との連携による救急救命率の上昇のほか、病院での研修も行い、救急隊員の能力向上も狙う。
病院に救急救命隊が24時間常駐する体制は、神奈川県内で初めてで、全国では11番目。救急隊と病院が連携し、一刻を争う重症患者には医師が救急車に同乗して出動することも可能となる。より高度な救急医療を早期に行うことで、市民の救命率の向上を目指す。
また同ステーションは救急出動体制の充実だけでなく、救急業務と並行した救急隊員の病院実習の場にもなる。通常であれば、隊員が知識や技術の習得のため病院実習を受ける場合、救急出動の業務からは一時的に離れて、病院に派遣されることになる。しかし同ステーションであれば、常駐の消防局職員との交代制により、救急出動体制を維持しながら、実習の時間も確保できる。また出動時に医師が同乗した場合にも、実際の現場で隊員が直接指導を受けられるため、より効率的に能力のレベルアップが図れるという。
運用は、消防局救急救命課の職員2人と本町救急隊の隊員2人、研修のため市内から派遣された救急隊員1人の計5人体制。
同課は「医師と救急隊員が顔の見える関係を構築することで、効果的な救命活動と隊員の能力向上が狙える。市内全域の安全に繋がれば」とした。
指令室機能も
建物は市民病院の救命救急センター西側にあり、鉄骨造3階建てで、建築面積は約131平方メートル。仮眠室やシャワー室、食堂や物品庫なども設置している。救急車用の車庫もあり、24時間体制で人員が対応するための設備を整えている。
また消防指令システムを備え、出張所と同様に救急隊への指令室としての機能を持つ。市内全ての救急隊の出動状況を把握でき、大規模な災害が発生した場合には、救急隊と医療機関との連絡調整ステーションとしての活用もできる。
運用開始に先立ち7月23日には開所式が行われた。式典では、鈴木恒夫藤沢市長が「災害の複雑化する現在、市民が行政に求めるものも大きい。研修と24時間体制で、救急機能の充実を図れれば」と語った。
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