鵠沼を語る会 未発表の「鵠沼物語」一冊に 作家・今井達夫の交友録
鵠沼の歴史や風土などの研究を行う「鵠沼を語る会」(有田裕一会長)はこのほど、その半生を同地で過ごした作家・今井達夫による「鵠沼物語」の未発表原稿を一冊にまとめて刊行した。三田文学編集部(東京都港区)で新たに見つかった原稿には、大正・昭和時代に鵠沼を訪れた文人・画家ら110人以上との交流が克明に記されており、当時の生活や文化を知る上で貴重な資料となる。
今井達夫著「鵠沼物語」は、晩年期の1970年8月頃から71年2月にかけて執筆された作品。大正・昭和時代、鵠沼に出入りした芥川龍之介や尾崎士郎、山本周五郎ら文化人との交流が原稿用紙500枚、16章に渡って綴られている。
没5年後の83年には、雑誌「三田理財クラブ一二五」に「湘南の作家たち」のサブタイトル付きで第4章まで連載。だが、同誌の休刊に伴い、第5章以降は陽の目を見ることは無かった。
40年を経て活字化
未発表原稿が慶應大学内の三田文学編集部に保管されていることが判明したのは、クニ夫人が逝去した2012年3月のこと。同著「馬込文学村二十年」の冊子化を進めていた同会は、「今井達夫を取り巻く鵠沼での人間模様や、今は無き東屋の様子を知ることができる貴重な資料。ぜひ1冊にしたい」と遺族の許諾を得て、刊行を実現させた。
「鵠沼物語」はB5判・224頁。会員8人で制作チームを結成し、約2カ月間掛けてパソコン入力からページ構成、レイアウト、校正、製本まで終えたという。あえて修正などは加えず、ほぼ原文のまま扱った。
市内図書館、鵠沼図書室、鵠沼郷土資料展示室、藤沢市文書館で閲覧できるほか、税込価格1500円で購入可(部数に限りあり)。購入希望者は、同会【メール】kuge
numa@ac.auone-net.jpへ。
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