メキシコで「2014年UCIパラサイクリング・トラック世界選手権」が4月10日から13日まで行われ、藤沢市みらい創造財団の石井雅史選手(41)が4位に入賞した。石井選手は、出場したC4(運動機能障害など)2種目で自身の持つ日本記録を塗り替える快走を見せ、日本チームの16年リオデジャネイロパラ五輪出場枠獲得へ向け大きな実績を勝ち取った。
石井選手は同世界選2日目の4月11日、「4Km個人パーシュート(追抜競争)」に出場し、9位をマーク。4分52秒896の好タイムで、日本記録を約10秒更新した。12日の「1Kmタイムトライアル」では4位に入賞。タイムは、日本記録を約2秒上回る1分6秒124だった。また両種目で規定の10位以内に入ったため、リオパラ五輪の国別出場枠ポイントを獲得した。
石井選手は09年の世界選でレース中に転倒し、複数箇所の骨折と肺を損傷する大けがを負った。その後復帰し、12年ロンドンパラ五輪では6位に入賞。今回の「1Kmタイムトライアル」4位は、復帰後の世界大会では自己最高順位となる。
ライバルが求めた握手
12日の「タイムトライアル」の後、石井選手のもとにアテネパラ五輪金メダリストのイェリ・ボウシュカ選手(チェコ)が歩み寄り笑顔で握手を求めた。ボウシュカ選手は、石井選手がパラサイクリングに参戦して以来、多くの大会で競い合ってきたライバル。今回、09年の事故後初めて石井選手がボウシュカ選手を上回った。その復活を祝い、努力に敬意を表する握手だ。
石井選手は「本当に良いライバルに巡り合えて、人生にも大きな恵みになっている。日本の代表として日の丸を背負い、世界のライバルと戦えることはとても誇らしい」と語った。
日本選手権も快勝
帰国後の19日と20日には、福島県で行われた「日本パラサイクリング選手権・トラック大会」に出場。参加した2種目の「1Kmタイムトライアル」と「個人パーシュート」両方で優勝した。石井選手は「疲労はあったが、自転車競技最高峰の大会で走れることは嬉しい。支えてくれる多くの人のおかげだと、改めて感じている」と話した。
今後は、6月のアジア選手権をはじめ国際大会でリオパラ五輪出場枠ポイントを狙いながら、若手の育成も進めていく予定だという。
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