花の模様でラッピングした検診車（上）とマンモグラフィ撮影装置
藤沢市は今年度から導入している、乳がんのマンモグラフィ検査ができる検診車の巡回を、年２回から４回に増やした。市民からの要望に応えたもので、昨年12月に第１回目を行い、１月から３月まで月１回商業施設で実施する。
市区町村が実施する乳がん検診に関する国の指針で、従来の視触診は推奨しないとなったことを受け、原則となるマンモグラフィ（乳房専用のエックス線撮影）検査で受診できる機会を増やすことに決めた。今年度からは藤沢市医師会が市の委託を受け、検診車は寒川病院から借り受けて検査を行っている。
現在、市内では11の病院や施設でマンモグラフィ検査の受診が可能だが、検診日は主に平日で、土曜日も少なく、日曜日に受診できる施設はほぼない。
市健康増進課によると、２０１２年から検診車を導入しているが、平日は仕事や育児で忙しい女性が増え、日曜日に検診を実施してほしいという要望が多く上がっていたという。
そうしたニーズに応えようと、検診車は日曜日に市内の商業施設に出向き、検査を実施している。病院と異なり、待ち時間が少なく、小さな子を持つ母親でも気軽に受診でき、女性技師が担当することでより安心に心掛けているという。
生活様式や食生活の変化で、現在では、日本人女性の11〜12人に１人の割合で乳がんにかかると言われている。
市は、40歳以上になる女性に有料（70歳以上は無料）で検診を行っているが、受診率（17年度）は24・７％で、受診者数は１万６３９３人。その内、要精検者数は１３６３人で、発見がんは35となっている。受診率向上へ市は、10月の「乳がん月間」に合わせて講演会などで、市民啓発を行っているほか、自己触診方法の普及にも力を入れている。「会社の健康診断や個人で受ける人もいるが、受診率が50％に近づくことが目標」という。
委託を受ける藤沢市医師会担当理事の山口邦彦医師は「早期発見には検診と合わせ、日ごろからの自己触診も大切。これを機に乳がんへの意識を高めてほしい」と話した。
１月の巡回検査は、28日（日）の午前10時から、イトーヨーカドー湘南台店で実施する。希望者は、５日午前９時から予約受付。先着35人。申し込みは、市健康増進課【電話】０４６６・５０・８４３０へ。
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