湘南エリアで観光客を想定した災害時の対応などを学ぶ勉強会が5月17日、辻堂神台のオザワビルで開かれた。藤沢、平塚、茅ヶ崎、寒川の4青年会議所(JC)からなる「湘南4LOMまちづくり会議」が主催。一層の観光客増が見込まれる東京五輪も視野に、専門家の講演などを通じて参加者らが見識を深めた。
同会議は藤沢、平塚、茅ヶ崎の3つのJCが公益的なまちづくりに取り組もうと1996年に始まり、98年には寒川JCを加え、湘南4LOMとして発足。観光分野は2016年から取り組んでいる。
「Peace of mind SHONAN(安心観光都市・湘南)」と題されたこの勉強会では、観光危機管理分野の第一人者として活躍する(株)JTB総合研究所上席研究理事で、観光危機管理研究室長の高松正人氏が「あなたの地域は、観光客の安全を守れますか?」をテーマに講演。藤沢など各地域の年間観光客数、最も観光客数が多い観光地、1日の最大観光客数を例に、そこで考えられる災害や危機を説明した。高松氏は災害に遭遇した観光客に情報がうまく伝わるのかなどの不安やリスクに触れ、何ができるかを問いかけた。
このことから各JCからは「海に来た人たちの避難は想定されていない」「観光客の避難場所は確保されていない」といった指摘が上がった。
この日は観光危機管理に関連して、藤沢市消防局救命救急課の勝森直樹氏から応急手当の重要さなども学んだ。
年間1800万人が藤沢に
藤沢市の観光振興計画によると、2016年の年間観光客数は1800万人を超えている。最も観光客の多い観光地は海水浴場で、お盆期間の日曜日には最大10万人が訪れるという。
20年には東京五輪のセーリング競技が江の島で開催され、外国人だけでなく、観光客数はさらに増えることが予想される。
各市町では地域住民に対する防災計画などは整備されているが、それらは観光客までも想定していない。相模湾沖を震源とする大規模な地震の発生など、災害時に観光客を含めた防災・危機管理体制の整備が求められている。
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