深刻な社会問題となっている子どもの貧困。藤沢市は2019年度に「市子どもの貧困対策実施計画」を策定する方針で、今年9月から調査を始めた。また、市議会でも最大会派の民主クラブが議員提案による「子どもの貧困対策推進条例」を制定しようと、20日にシンポジウムを開くなど対策に向けた取り組みが加速している。
条例制定へシンポも
市は経済的な事情から公立小中学校の就学が困難な家庭に対し、学用品や給食費など費用の一部を援助している。17年度の就学援助率は小学校で13・9%(3204人)、中学校で17・9%(1918人)、中学校では生徒のおよそ5・5人に1人が何かしらの援助を受けている。
市が進める調査は、子どもや保護者の生活実態を把握するもので、市立小学5年生の児童と保護者約3900世帯、市立中学2年生の生徒と保護者約3500世帯、5歳児の保護者約3900世帯を対象としている。
保護者には、所得や家族構成、成育歴などを質問し、小中学生には、健康状態や放課後の過ごし方、友人関係などを聞く。実態を把握することで求められる施策を検討する考えだ。
継続支援求め
市議会の民主クラブ(柳田秀憲会長)は、問題の本質的な改善につなげようと、昨年から準備を進めている。条例は、市が子どもの貧困対策に積極的に計画的に取り組むこと、貧困が世代を超えて連鎖することの防止をかかげ、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されない社会の実現を目的としている。
同会派によると、その特徴は、施策に対して必ずPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の「PDCAサイクル」による施策の改善を行っていくこと。子どもの貧困対策センターを設け、支援窓口を一元化することがあげられている。
シンポジウムでは、条例案の説明とともに、不登校やひきこもりなどの問題を抱えた小中高生を対象にした個別指導塾・キズキ共育塾の安田祐輔代表の講演や、市内の学習支援施設、児童養護施設が子どもたちの状況について説明した。会場には、約60人が訪れた。
参加した子どもの支援施設を運営する男性は「条例は、とても前向きな対策だと思う。特に窓口を一元化することがいい」と評価。一方で40代の子育て中の女性は「貧困という言葉はネガティブに感じる。もっと広い意味で子どもたちの育ちの支援をしていくことが望ましいのではないか」と話していた。
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