新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が広がる中、県内屈指の観光地として知られる江の島が頭の痛い課題に直面している。週末を中心に市内外から観光客が後を絶たず、人が集中しているためだ。事業者らも休業か店を続けるか葛藤が続く一方、大型連休を前に感染リスクを懸念する声もあがっており、対策が急務となっている。
好天に恵まれた19日。前日の悪天候もあって、この日江の島は多くの観光客で賑わっていた。島内にある「江の島なぎさ駐車場」(327台)には湘南ナンバー以外に東京や埼玉など県外ナンバーも次々と入庫していく。多摩市から家族3人で訪れた30代の男性は「自粛でずっと家にいたが子どもも正直限界。後ろめたさはあるが、少しでも気分転換できればと思って」と話す。
海岸部の駐車場を巡っては、週末の道路渋滞改善のため18日から公営7カ所と民営1カ所が閉鎖。同駐車場を運営する湘南なぎさパークでは「開場は業務や介護など島民の生活のため」として観光客の利用を控える掲示をしているが、この日の車両の半分近くは県外ナンバーだった。
平常時は連日多くの観光客で賑わう江の島。関係者によると緊急事態宣言後は客層も一変した。土産物店の50代女性は「外国人を見なくなった変わりに家族客や若い人が増えた。店を開ける方もどうかとも思うが、この状況下でこんなに人が来るとは」と驚く。
一方、観光客の増加は感染リスクを高めることにつながり、島民からは不安の声があがる。80代の女性は「島内はお年寄りが多く、とりわけ危険にさらされる。週末は家から出ないようにしているが、万が一感染したらと思うと子どもたちも呼べない」と危惧する。
市観光シティプロモーション課では「不特定多数の人が江の島に集まっているのは事実」とし「大型連休に向けて、県などとも対策を協議していきたい」と話した。
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