小中学校の一斉休校が続く中、藤沢市教委はインターネットを活用したオンライン学習の環境整備を急いでいる。長期化する家庭学習を後押しする目的で、中学校では近く教員と生徒がオンライン上で学習や生活相談などができるシステムを先行導入する。ただ、ネット環境がない家庭の対応や学校での運用方法など、実用化に向けては課題も多い。
市教委は先月28日、5月6日までとしていた休校期間を同31日まで延長。8日からは中学校で、11日からは小学校でも順次追加課題のプリント配布を始めた。
オンライン学習最大のメリットは、教員と児童生徒が双方向にコミュニケーションが取れる点だ。市教委では、チャット機能などを備える専用アプリ「ジースイート」を活用。実用化されれば、学習につまずいたときも自宅にいながらパソコンやタブレット端末を介して質問や相談をすることができる。
連休前までの課題は復習が主だったが、連休明けからは授業で学んでいない単元も一部盛り込まれるようになり、学習の効率化が期待される。一方、導入にはICT(情報通信技術)環境の整備が欠かせない。家庭のネット環境の有無で、学習機会の格差を生んでしまう可能性があるからだ。
市教委は1日、小中学校の保護者に向けてICT環境に関するアンケートを実施。パソコンやタブレット端末、スマートフォンの有無などを訪ねたところ、7日までに回答した2万4568人の内、3・6%にあたる891人が「ネットがない」と答えた。市教委は「ネット環境がない場合には学校のパソコンルームを開放するなど、早急に対策を講じていく」と話す。
遠隔授業は「検討」
文科省は、全国的な休校長期化を背景に「遠隔授業」を見据えた通信環境のハード面での支援策を進める。小中学生に140万台以上のルーター貸与や、「1人1台」とする通信端末の整備計画を23年度から20年度中に前倒した。
ただ、支援策があっても当面のコロナ対応に追われ、オンライン学習などの対応が進まない学校も多い。市教委は「まずは休校期間が長引く中でどう学習機会を確保していくか。オンライン上の授業などは今後の検討課題」とした。
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