藤沢市は先月26日、片瀬江の島地区の再整備、災害対策を目的に購入を計画していた旧江の島水族館跡地について「計画策定に不備があり、具体化、調整には時間がかかる」との理由から、取りやめると発表した。購入計画についても、地権者以外の片瀬地区住民には知らされておらず「市民不在」に疑問視する声が上がっている。
旧江の島水族館跡地の購入は今年1月、藤沢市都市計画課が策定したとされる「片瀬江ノ島駅前地区再整備計画変更事業計画書」を基に進められてきた。計画の柱は【1】小田急線片瀬江ノ島駅前の再整備【2】災害時用に、避難場所機能をもつ指揮本部施設の建設、の2つに分かれる。【2】の避難施設の建設に関しては、3月11日に起きた東日本大震災を受け「対策が必要」とした。
計画地は、国道134号線沿いの旧江の島水族館跡地から片瀬江ノ島駅周辺の約3ヘクタール。開発は大きく3つに分け、A街区は駅前広場、B街区は再開発ビル2棟を建設、C街区は先行整備地区と位置づけ用地を取得し、早期実現を目指すとした。総事業費は、今後の土地購入を理由に情報を公開していない。
C街区については計画書通り、他の街区に先駆け8月末、都市計画課が市の外郭団体、藤沢市土地開発公社(高木三廣理事長)に土地の取得を依頼。年内の取得を予定していた。
たが、計画書に手書きで書かれた今年1月の作成日が実際には6月作成、という虚偽記載が発覚。問題が指摘されていた。
都市計画課は今回の土地取得に対して「津波の問題もあり、購入を考えた」。土地の選定は「他に空いている土地が無く、空いている所はマンションなどの開発がある。水族館跡地についても、民間の開発の動きもあり先行取得を進めた」とした。旧江ノ島水族館跡地の土地所有者が、海老根靖典藤沢市長の後援会関係者だったことには「後から知った」と話す。
計画は、地域住民らで構成する片瀬地域経営会議にも事前の説明は無く、災害対策として、避難場所の要望についても、同会議からは上がっていない。先月末に行われた海老根市長、部長らを交えた同地区の定例会でも「計画に驚いている」「住民が参加した上で進めるべきでは」といった意見が市民から出された。
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