藤沢市と横浜市戸塚、泉両区にまたがる県立境川遊水地公園内の今田遊水地で、県は3月1日、市民向けの環境学習室の機能を備えた「今田管理センター」(今田89の2)を開所した。憩いの場としても一般開放されており、指定管理者の公益財団法人 神奈川県公園協会は「休憩しながら境川の自然も学べる施設。多くの市民に足を運んでほしい」と話している。
◇◇◇
開所の背景について、河川を管理する県藤沢土木事務所によると、2008年ごろ、県が今田遊水地の整備を進める際、地元住民たちから「遊水地の自然を楽しむため、皆で集まれる休憩施設を持つ建物を造ってほしい」との声が上がったという。県は住民の要望に応えるよう同センターを設置した。
同センターは、延べ床面積250・77平方メートルの平屋建て。休憩スペースのほか、環境学習などの場となる学習室も完備。遊水地周辺で見られるカワセミやカワウ、ギンブナ、セイタカアワダチソウなどさまざまな動植物を写真パネルで紹介している。
境川の治水の要にも
今田管理センターには、学習室のほか、大雨で河川が増水した際、下流域での洪水被害軽減のため水量を監視、調整する管理事務所も併設されている。
県の治水対策として整備された境川遊水地。県藤沢土木事務所によると、1950年代から藤沢市内の市街化が進み、街がアスファルトやコンクリートで覆われるに従い、街の「保水・遊水機能」が著しく低下した。大雨が降ると、境川下流域の市街地でも洪水や冠水などが発生しやすくなったため、県は水害防止のため治水対策を実施。今田と横浜市内の俣野、下飯田の3カ所から構成される境川遊水地の整備を90年度から開始した。
2004年度からは、平常時には遊水地を公園として有効利用するための公園事業にも着手。07年度に俣野遊水地、10年度に下飯田遊水地での整備が完了し、現在公園整備中の今田遊水地で最後となる。
今田遊水地では2年前にビオトープ(一次池)が完成。現在は自然観察などができる多目的空間(二次池)を整備しており、完了は数年後になる見通し。完成後に一次、二次池ともに一般開放されるという。
同センターに関する問い合わせは、県立境川遊水地公園(代表)【電話】045・805・0223へ。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
藤沢版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>