飲食店を支援しようとパンの詰め合わせ販売を考案した齋藤孝暁さん
新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ飲食店を支援しようと、市内のベーカリーがタッグを組み「藤沢お助けパンセット」の販売を行っている。引き渡し場所とする飲食店に売り上げの一部を還元。１日50セット限定ながら、連日完売が続いている。
ベーカリーに協力を呼びかけたのは、高倉の老舗パン店「長後製パン」の４代目で、取締役営業部長の齋藤孝暁さん（29）。異業種である飲食店の支援を考えたのは、「恩返しの気持ち」からだった。
同社は給食用のコッペパンの製造を請け負っているが、この一斉休校で売上が大きく落ち込んだ。食材ロスを減らし、従業員のために少しでも売り上げを作ろうと同社運営のベーカリー「ロワール光月堂」で、３月からコッペパンを安価で一般販売すると、多くの市民が買い求めた。
それを知った市内の飲食店が、店の逸品を具材に「創作コッペパン」の販売を企画。ＳＮＳで呼びかけると多くの店が賛同し、各店舗のテイクアウトメニューとして店先に並んだ。齋藤さんは「市民や飲食店の皆さんの温かさを感じた」と感銘を受け、飲食店を支援する企画を立ち上げた。
齋藤さんは辻堂海浜公園で開かれている湘南パン祭りの実行委員を務めた経験から、種類や店の違うパンを集めることに価値を感じており、複数のベーカリーによるパンの詰め合わせセットを考案。呼びかけに賛同した５店から、それぞれ１から３品を日替わりで集め、１セット約10品を１日50セット限定で売り出した。
飲食店には、引き渡し場所を店舗とすることで、テナント料として売上の一部を支払うことで還元。先月23日に販売を始め、連日完売が続いている。「厳しいのはどこも同じ、手に手を取って互いに支え合いながらこの難局を乗り越えたい」と話した。
１セット２５００円（税込）。予約や決済は、通信販売サイト「ｒｅｂａｋｅ」。問い合わせは長後製パン【電話】０４６６・４４・００４５へ。
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