藤沢市は、2013年に国登録有形文化財に登録された「旧桔梗屋」の店蔵と文庫蔵、主屋を含む土地約470平方メートルを取得した。3棟の建物と土地は元所有者が寄付。土地開発公社が取得した隣接する土地約990平方メートルと合わせて、藤沢宿の歴史・文化を継承し、地域の活力やにぎわいを生む利活用を目指す。国登録有形文化財を市が所有する事例は初。
市は、1日に開かれた市議会定例会の建設経済常任委員会で報告した。
旧桔梗屋は、旧東海道藤沢宿で茶・紙問屋を営んだ旧家。1911年に建造された市内に現存する唯一の店蔵と、同年に建てられた木造2階建ての主屋、江戸時代末期に建てられ近世にさかのぼる貴重な史料とされる文庫蔵がある。店蔵は支店として今年9月まで使用されていた。また市が指定する「旧東海道藤沢宿街なみ継承地区」の中心的な場所にあり、景観上も重要な拠点とされている。
市は敷地全体の取得に向けて手続きを進めていたが、今年10月、所有者が建物の継承のために市への寄付を申請。市は、歴史的に貴重な価値があり、同地区の象徴的建物であったため契約を締結。合わせて土地開発公社は、隣接する土地を約2億2200万円で買い取った。
市は同所の利活用に向けて、建物の用途や敷地の利用に関する意見を調整するため、従来の「旧東海道藤沢宿街なみ継承地区庁内調整会議」を「藤沢宿歴史的建築物利活用庁内調整会議」に改組。先月4日には第1回会議を実施し、意見や課題の抽出を行った。
同建物は、耐震性や防火性などに課題が残る。今後、保存と継承、市民が利用できるような魅力ある利活用のため、建物に関する調査を実施。地域関係団体との意見交換や有識者へのヒアリング、民間事業者への対話調査などを実施していく方針という。
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