来夏江の島で予定されている東京五輪セーリング競技の開催に伴い、湘南港に保管されているヨットの移動計画がこのほど明らかになった。当初想定した「3〜5カ月」から「8カ月前後」と長期化する上、候補先が千葉や東京など遠方も含まれるとあって、利用者からは困惑の声があがっている。
19と20の両日、湘南港利用者を対象に開催された説明会で県が明らかにした。同港には小型ヨット「ディンギー」が617艇、クルーザーが係留と陸置の合わせて133艇が保管されている。
県セーリング課によると、ディンギーの移動先は葉山港(葉山町)や逗葉フリートハウス(逗子市)のほか、稲毛ヨットハーバー(千葉県千葉市)や若洲ヨット訓練所(東京都江東区)など県外施設を含む計10数カ所。平塚や茅ケ崎市内の県有地など、保管のみで出艇できない場所もあるという。
ディンギーの移動を巡っては当初、約200艇を茅ヶ崎漁港に移動させる計画があった。だが曳航(えいこう)する際の安全確保が「技術的に難しい」と昨年8月に断念。代替案として県外施設を利用する。
一方、クルーザーについては横須賀や三浦など県内9カ所のマリーナに移動。いずれも艇の運搬費用や現状を超える保管料については主催者が負担するよう、県が大会組織委に求めている。
両日の説明会には、艇の所有者など計約340人が参加。参加者からは「使用エリアをコンパクトにすれば全ての艇を移動させなくても済むのではないか」「保管場所まで遠く現実的に通えない」など意見や要望が相次いだ。本紙の取材に同課は「大会組織委から大会スケジュールが示され、想定より準備に時間を要することが分かった。また県内でヨットを収容できる場所が限られており、遠方も候補に入れざるを得ない」と説明。「今後利用者目線で出来ることを進めたい」と述べた。県は早ければ2020年1月中旬にも移動を開始したい考えで、帰港は大会終了後の9月頃になる見通し。
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